ストレスで話せなくなった話。
自分が昔々
会社員だった頃のお話です
中間管理職的な立場として
朝から晩まで
一生懸命働いていました
早朝満員電車に揺られ
会社が近づくにつれ
働くモードのスイッチがオンになり
職場のドアを開けた瞬間から
声が かかります
「あれってどうなってる?」
「これやって欲しいんだけど」
一息つく暇もありません
お昼休みになったとしても
緊張状態でずっと働いているため
ホッとしているようで
體の奥からホッとはできません
なんとなく一時的な
表面的なホッとを味わい
お昼休みはスグに終わります
そして
残業をダラダラやることが嫌いな自分は
とにかく一生懸命サクサクと仕事を片付け
残業時間を出来る限り短くして帰宅します
1日の全てが
仕事のためのような生活でした
いや
生きることが仕事のためのような
謎の生き方でした
120%の勢いで
会社という時空間で動きまくる自分
「ここは牢屋か…」
ある日 思いました
ふと窓を見れば
外には太陽の光りが差し
雲が流れ風が吹いています
手が届きそうなのに届かない
和やかな外の風景を横目に
自分は部屋の中で
カチカチとパソコンばかりを見ています
自分は
何をやっているのだろうか…
自分は
こんな大人になることを
夢見ていたのだろうか…
そもとも大人って
こういうものなのだろうか…
そしてある日
会社の電話をとった時です
口がまわりませんでした
どうにもこうにも
うまく口がまわりません
自分の名前が言いにくい
会社の名前が言いにくい
顔面が麻痺しているようだ
仕事はしているけれど
脳が働いていない
表情がつくれない
あーこれはヤバイ
まずい状態だ
自分が思っている以上に
自分はストレスにやられていたのでしょう
こうなるまで氣づけないなんて
本当に情けない状態でした
自分の體が蔑ろにされていました
けれど
スグに止めることのできない仕事を抱えながら
自分はカチカチと見たくない世界を見続けました
そして誤魔化しながら仕事をし続け
いつの日か…
口がまわるようになりました
これは
ストレスが解消されたワケではありません
體に蓋をすることが完了したのです
そして
合図が分からない状態
合図が出せない身体へと
自分は自分を追いやったのです…
どうしてわたしたちは
休めないのだろうか
いや
立ち止まれないのだろうか
死ぬことがコワいと言いながら
死ぬようなことを繰り返す人間
病気にならないようにと言いながら
無理をして生き続ける人間
時代が変わり
働き方も多様になった今
それでもまだまだ
会社という名の牢屋にいる人は存在する
世間が悪いのか
政治が悪いのか
企業が悪いのか
社長が悪いのか
上司が悪いのか
部下が悪いのか
何かのせいにすることはできる
けれどその何かは
自分のために
何かをしてくれることはないだろう
自分が何かのせいにしている限り…
まずは自分の不調に
氣づいてあげられるかどうかだ
最後までお読みいただき
ありがとうございます