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マネジメントって何だろう その④「メンタルヘルスケア」

今回はメンタルヘルスケアについて書きたいと思います。
ヌーラボのTATSURUです。

前回の記事は育成と習熟について書きました。
ご興味がある方はこちらも宜しくお願いします。

前回の記事
前々回の記事
前々々回の記事

マネジメントの要素をテーマ別に深堀していければと考えています。
今回は、メンタルヘルスケア(心の健康)について書きたいと思います。



メンタルヘルスケアもマネジメント?

さて、どうでしょう。メンタルヘルスケアはマネジメントに含まれるのでしょうか。一般的な定義はどうなのかはさておき、私はメンタルヘルスケアもマネジメントだと考えています。

その理由は、プロジェクトの成功を左右するものだからです。自分も含め、メンバーの心の健康についてマネジメントが必要だと考えています。

実のところ、メンタル不調の多くの原因は仕事よりもプライベートが起因することが多いように思います。

もちろん仕事が原因という事もありますが、多くは人間関係です。
特に、近い人との人間関係から順に原因になりやすいので、親・兄弟やパートナーや子供、そして職場の人間関係やご近所づきあいなど、最近はSNS上の人間関係も影響するかもしれませんね。

そんな事までマネジメントでカバーはできないと思いますが、そういった要因が仕事に影響する事があるという事を理解しておくことが大事です。

そして、まずは1番に自分の心の健康を良く把握しておくことです。
人の事は変えられませんが、自分の事は変えられますので、まず何よりも自分の心の健康について考えてみましょう。

睡眠と運動と食事

心の健康は体の健康と密接な関係にあると思います。特に睡眠と運動と食事の3つは体の健康においても重要な要素ですが、心の健康にも影響します。

これらは神経伝達物質であるセロトニンの分泌に影響を与えます。セロトニンは精神を安定させると言われており、睡眠はセロトニンの影響を受けるようなので、不眠の方はセロトニン不足かもしれません。

睡眠により分泌が抑制(リセット)されるので、1日のサイクルとして睡眠が重要な役割を担っていると思われます。セロトニン不足も問題ですが過剰なのも良くないのです。良く寝れてますか?

適度な運動はセロトニンの分泌を促すそうです。良く寝るためにも適度な運動をしましょう。朝日を浴びるとセロトニンが分泌されやすくなるそうなので、朝の散歩や体操などからでも良いと思います。

そして、食事が最も大事で、医食同源という言葉がありますが、セロトニンの分泌に関わる食品(バナナ、乳製品、大豆製品、赤身肉など)もありますのでバランスのとれた食事をしましょう。

マネジメントと関係ない?いいえ、自分の体調を整え、心の健康を保つ事ほど重要なマネジメントは無いと私は考えます。

メンタル不調は判断ミスを引き起こす

では、マネジメントらしい話をしましょう。メンタルが不安定になると、イライラしたり、不安を感じたりと何か重要な決断をする状態としては危険な状態となります。

マネジメントにおいて最も大事な仕事は決める事です。

間違っててもいいので、大事な局面でしっかり決める事ができなければ、プロジェクトは進みませんし、メンバーもどこに向かえばいいのか解らなくなります。

メンタルが不安定なときには、人は安きに流れるため安易な決断をしがちです。調子が悪いと、とりあえずこれでいいかと安易になってしまい、後からなんでこんな決断したんだろうと後悔することにもなりかねません。

まだ決める事ができているだけ症状が軽いとは思いますが、悪くなってくると決める事が怖くなったり、決められなくなったりします。

物事を決めるというのはそれだけで大きなエネルギーを使います。様々な情報をインプットして、何が正解かを考え、より良い結論を出そうとするならばメンタルが安定している必要がある事は解るかと思います。

心の不調は体にも影響する

世にある様々な病気の原因として悪名高いのはストレスです。
ストレスは過度なプレッシャーなどにより発生しますが、単純作業の繰り返しや、無意味な事の繰り返しでも強いストレスが発生するのでご注意下さい。

良かれと思って簡単な繰り返し仕事をメンタル不調の方に回した結果、悪化するという事も起きうるのです。穴を掘って埋めさせるという拷問がありますが、知らず知らずのうちにそれをやらせたりしていないでしょうか?

ストレスによって人間の体は病気になります。一切ストレスが無ければいいかというとそういうわけでもないのが難しいところです。そもそもそんな状態はありえないので、ストレス耐性を超えないように注意するという事かと思います。

まずは、自分が過度のストレスを抱えていないかを考え、ストレスの原因を何とか特定し、場所や人が原因なら距離を置くなり、ストレスになっている事を解ってもらう必要がありますね。

決める事にはエネルギーが必要だと説明しましたが、それにともなうストレスも大きくなります。経営者や責任者は常にそのストレスにさらされますので、周りの理解・サポートが重要です。

例えば、毎日の食事を決めるのも面倒ではないでしょうか?食事を決めるというのも同じですし、着ていく服を決めるのも、好きな人は良いのですが、好きじゃない人にとってはストレスですよね。

日常の至るところで決める事が多いので、心の健康は非常に大切になります。

自分が嫌な事は人にしない・させない

当たり前の事ですが、自分が嫌だと思う事は人にしない・させない事だと思います。もし自分がやりたくない仕事があるとしたら、やりたくない理由を取り除く方法や、負担を軽減できる仕組みを考える必要があるのではないかと思います。

マネジメントというのは役割でしかないのですが、階層化された会社組織では上司・部下という階層にも紐づく事があるので、マネジメント側が上司になるケースが多いかと思います。

上司になったとたんに、部下に仕事を押し付ける人も居ますが、その結果部下のメンタルが不調になったりしては本末転倒です。

もし、後継者として育てる目的なら、それを伝えて本人のやる気を確認して任せればいいのですが、近年は出世したくない若者も多いので、十分に気を付けて仕事は任せましょう。

自分がそうだったから、部下も同じようにというに風にはいかない時代になってきていると思います。

人のふり見て我がふりなおせ

私はこの言葉を色々な意味でとらえています。通常は「他人の行動を見て、良いところは見習い悪いところは自分の振る舞いを反省し、直すべきところは改めよという教え」ですが、私は「ものごとの本質を見るためにはよく観察しろ」という意味でもとらえています。

人は成功も失敗もありますが、どうしてそうなったのかをよく観察する必要があると思います。表面的な事だけに惑わされず、その裏でどういった努力や判断や行動があったのかすごく気になります。

心の健康についても同様です。どうしてこの人はイライラしているのか、不安そうなのか、怒っているのか、悲しんでいるのか、そういった状態にいたった背景が気になります。

マネジメントに置き換えると、なぜ問題が起きたのか、なぜ判断が間違っていたのか、なぜ誰も気づかなかったのか、別に自分のプロジェクトの状況からだけでなく人のプロジェクトからもそういったことは学べるはずです。

それを知る事で、そうならない方法知り、もし自分がそういった状態になったときに回復する事ができれば、他の人にも役立つかもしれません。ケーススタディとして様々なものを観察するこが重要だと思います。

マネジメントにおけるメンタルヘルスケア

これはまず、マネジメント側が知識として知っておいてできれば実践して自分の心の健康を保つ事をお勧めします。プロジェクトのメンバーに言ったとしても、誰もやらないと思うので、まずは自分からかなと思います。

人にこれを理解して、実践してもらうのはすごく難しい理由はこの言葉に凝縮されています。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

山本五十六

人はここまでやらないと動きませんので、まずはやってみせるしかないのかなと思います。

そして、誰かがメンタル不調になっていそうなときは、寝れているかとか運動しているかとか健康的な食事をしているか聞いてみてください。

多少、おせっかいかもしれませんが、本人が自覚しているようであれば、こうすると良いよという話だけでも何かのきっかけになるかもしれません。

あとは、本人次第ですが、もしそれをきっかけに心身ともに健康でいてくれるなら、それで良いですし、不健康なままで居ても咎める必要はありません。それもまた本人の選択です。

注意事項

注意が必要なのは、「睡眠時無呼吸症候群」や「ナルコレプシー(居眠り症)」が疑われる場合は、治療が必要ですし、鬱なども疑われる場合は産業医などに相談すべきだと思います。

これらは、治療などが必要で業務に影響が出るだけでなく、場合によっては重大事故にもつながりますので、素人では対応できないですので、必ず医療機関に任せるようにしましょう。

特に独身・一人暮らしの場合、本人の自覚がないと気づかない事も多いので、気づくチャンスは職場だけという事もありえます。

これは、マネジメント側に向けて、「メンバーの健康を管理しなさい」と言いたいわけではありません。各人にセルフマネジメントしてもらう必要があるのですが、こういったことを学ぶ機会が少ないように思いますので、知識として知ってもらう事が大事かと思います。

最後に、人の事はあまり気にしなくてもいいです。その人の人生なので、ここでは、マネジメントに影響する自身の心の健康についてだと解釈してください。

今後、世の中は大きく2極化していくかもしれません。自由なセルフマネジメントの集団と、統率されたマイクロマネジメントの集団です。次回はそのあたりを記事にできればと思います。

ではまた。


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