帰り道【2】

自分勝手な帰り道
それでよかったのか
自我の確立を
すべてに優先させた
苦い記憶
そして
喪失の遥か向こう
僕はまだ
脆弱な自意識の問題を抱え
他人に
自分に
向き合っている
人見知りな
忘れ物を
まだ手探りで
外界の時間を
止めたまま
それでも
流れていく
痛みとともに
探して
探して
やっぱり
見つからない
知ってたよ
知ってた
自分勝手な帰り道の
途上だから
違うって
気づいて
違うって
認めるまで
道のりは長く
痛み止めを飲みながら
セッティングに
いろいろ
苦慮しながら
時間の流れは
残酷だなんて
人見知り並みに
聞き飽きた
聞き飽きた
言葉で石膏を固めて
通りに並べる
誰のため
自分のため
もう迷わないように
誰かのため
自分のため──？
知らない
知らない
最後に言葉が降り積もる
もう痛みは越えた
痛みは
何でもない石膏に
変わりながら
みんな
僕を見つめていた──