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屋上ガーデン

昔よく遊んだ
屋上には
もう何も残っていない

子どもたちが
立ったステージも
屋根のテントが
ボロボロで

あの頃の
賑わいが
切ない風に乗って
今に届くような

寂れたガーデン
ビアホール
1999年7月に
空を見上げて

何も落ちて来ないね

なんて
おばあちゃんに
話していたな

ここに立つと
いろいろ思い出すよ

節目節目で
必ずやって来ては
夢を空に描いたり

空が近く
手が届きそうな
孤独に染まる
世界全体みたいな
安心感もあり

地上の
鬱屈はすべて
ここで解消していた

揺れない時代に
入りつつあるから

もう
あの頃のような
感傷もなくなり

未来は今度こそ
建設的に
進むだろうが

いろいろな
思いを着せた
屋上ガーデンは

このデパートが
取り壊されるまで
ここにあるだろう

出来るなら
失なってきた
思い出の場所の分まで
長く
生きている限り
最後まで
故郷のように
僕を迎えてほしい

まだまだ
あの空の向こうを
描いていきたいんだ──

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