80年代個人的邦楽10選Ⅱ
かなり久しぶりに「80年代個人的邦楽10選」の第2弾をします。洋楽はもう8回もしているのに邦楽はまだ2回目。やっぱり洋楽に浸かっていた期間が長かったのとリアルタイム世代ではないのとで、タイムラグといいますか、先にいい音楽と言ったら語弊があるかもですが、洋楽の有名どころを一通り聞いてそれから向かう領域みたいな感じになってました。それもやっとつい最近みたいな。それでも個人的に「1980年代」そのものが纏った空気感、カルチャーなどが大好きなのでやっぱり邦楽もいいですね。洋楽ほどの完成度はまだまだなかったりとかかもですが、でも日本において「ポップス」や「ロック」がようやく花開いた時代でもあるので、華やかさやカッコよさとかはそれまでの日本の音楽には見られなかったものが結構あったのではないかと、そこまで詳しくないのであれですが、思ったりします。歌謡曲と洋楽との融合みたいな、いやもっと独自に進化していく日本の音楽の軌跡を追っていく感じがこの時代の音楽聴いていると感じたりします。タイムスリップ感が映像とか見ると半端ないですね。いいです。そんな感じですが早速どうぞ。
スローなブギにしてくれ / 南佳孝 (1981年)
これはもう今は売ってしまって家にはないのですが、80年代の「JPOP」のコンピレーションアルバムに入っていた曲で「渋いなあ」って初見で気に入った感じです。昔の日本人の何か得体の知れなさみたいな、まだアメリカに毒されていない気骨を持った日本人の感性が息づいていた最後の時代の音楽家が伸ばした先にある独特な世界観、といいますか。今では書けそうで書けない昭和レトロの良い空気感が生み出した魔法みたいないま世界的に大流行しているらしい「シティポップ」に近い失われた楽園の音楽にも近いのかなとか思ったりします。3歳くらいだったのでゆりかごの匂いもする懐かしい時代の音楽が根源に響く感じがするから、この年代は特に好きですね。
SOMEDAY / 佐野元春 (1981年)
日本におけるメジャーリーグのパイオニア、野茂英雄が大ファンと公言していた佐野元春の代表曲で野茂自身も大好きな一曲に挙げていたことを記憶しております。どこかの歌番組で生で佐野元春が野茂英雄の前で歌って野茂が顔を輝かせて聴いていた、そんな記憶もあります。記憶違いかもですが。大瀧詠一の「ロングバケーション」的なウォールサウンドというんですか、あのきらきらした雰囲気の新しい時代の幕開けみたいなどこまでもポジティブな空気感が今の時代に聞いても心地いいですね。昭和のいい意味での日本人のまっとうな在り方が示した真っすぐな光が闇を越えて令和まで届くみたいな感じがします。この曲も前曲と同じコンピレーションアルバムに収録されていて一発で気に入った曲です。
悲しい色やね / 上田正樹 (1982年)
生まれも育ちも大阪の僕のような人間にはかなり響く名曲です。いわゆるメディアが作った「こてこての」大阪ではなく、実際に生きていたらそうでもないことの方が結構ある、そんな日常のドラマ、恋愛ですが、その先に大阪南港の夕陽、河の河口にオレンジに染まりながら失恋の傷を癒す、そんなシチュエーションが最高の一曲です。明石家さんまもかなりお気に入りみたいで「さんまのまんま」とかで熱唱していた、大阪人、関西人のソウルソング(って言い方あるんかな)って感じですかね。僕自身もよく大和川や南港に行って水辺で癒されたりするので、まあ失恋とかビビり過ぎてほとんど避けていますが、恋愛自体を、疲れたりしんどかったらやっぱり夕陽に染まる川や海を眺めると、また明日からがんばろかってなりますね。この曲はそういう心境にぴったりな稀に見る名曲だと思ったりします。ちなみにこの曲も件のコンピレーションアルバムに入っていてお得感満載でした。買ってよかった、と言いながらお金に困って大した金額にもならなかったのに、つい最近売ってしまいましたが笑。
水の星へ愛をこめて / 森口博子 (1985年)
かなり昔にやった「アニメソング個人的15選」でも紹介しましたが、個人的に思い入れが深い名曲なのでもう一回ここで失礼します。ガンダムシリーズの第2弾で「ファーストガンダム」の放送から6年ぶりの1985年に放映された「機動戦士Zガンダム」の後期の主題歌で、アニメソングの中では一番好きな歌です。昔、NHK-BSでやっていた「ガンダム総選挙」の主題歌部門でも最近の作品とかの曲を押しのけて第1位に輝いてましたね。後にバラエティー番組で大活躍する森口博子のデビュー曲でもあり、僕が子供の時はバラドルで売っていたからこの曲歌っていることはなんか隠していたような雰囲気もありましたが、最近また歌手活動に力入れているみたいで、この代表曲はよくライブとかでも歌っていてファンからは「ガンダム姉さん」とか言われているみたいです。僕自身「Zガンダム」が大好きで、相当難解なアニメで子供の頃見ても分かりもしなかったですが、あのかっこよすぎるプラモデルのとりこになりまして、「Zガンダム」「ガンダムマークⅡ」「百式」「ハイザック」など当時の100分の1スケールの高いものを親に買ってもらい好んで作っていた、そんな子供でした。懐かしいですね。あの当時のプラモデルが特に。接着剤を使用してシンナー臭を子供ながら嗅いで、それでも集中して完成させて、塗装もして、って感じでいい思い出です。ファミコンやレゴ、ビックリマンシールなどと並んで子供天国に刻まれた1980年代の宝物の一つでした。
フレンズ / レベッカ (1985年)
1980年代の邦楽を代表する一曲みたいな感じになっていますね。この当時でここまでのクオリティーの曲もそうなかったから、ここから作りものじゃない「本物」のロックやアーティストがかなり出てきた、そんな印象も受けます。今回はやらなかったですが、BOØWYとかブルーハーツとか尾崎豊とか本格的なバンドやアーティストがここら辺の年代から出てきたって印象があります。日本が豊かになって文化が相当爛熟し出して、音楽もそれに伴って進化していく、そんな時代の空気感が純粋で、憧れたりしますが、実際の時代を生きた人の印象とはまた違うのかなと思ったり。完全に子供でしたので。でもあの1980年代の空気感、昔のテレビから漏れ伝わってくる空気感はやっぱり強烈にノスタルジーを呼び起こすものですし、惹きつけられるものがありますね。
愚か者 / 近藤真彦 (1987年)
1987年度日本レコード大賞受賞曲で、今思えば近藤真彦、マッチってジャニーズのアイドルの先駆けみたいな人がこんなレコード大賞受賞するとか、結構凄いことなんかなとか思ったりします。まあレコード大賞自体つい最近まで、今もかな、事務所の力関係とかで決まったりするとか言われていたから、いやしかし、ジャニーズ事務所も当時まだ平成時代ほど巨大な権力持っていなかったから、この曲に関しては純粋に楽曲とかで選ばれたんかなと素人ながらに思ったりします。アイドルが歌う歌って感じじゃないですね。歌謡曲のど真ん中って感じもするけど、でも日本人の琴線に触れる、昭和な芯の強さもあり、僕個人は結構好きです。まあ子供の時は田原俊彦と近藤真彦の区別があまりつかなかったので偉そうなことは言えませんが笑。
Hold On Me / 小比類巻かおる (1987年)
この人も曲名もほとんど知らないまま、TSUTAYAで借りた80年代邦楽のコンピレーションアルバムに入っていて気に入った曲です。あの時代、80年代の軽やかさと女性が徐々に自立していった時代の空気感、華やかさがそれまでにはなかった感じ、強さとかも感じさせて時代の変化が読み取れるような楽曲かなと思ったりします。聞いたことはあるけど名前は知らない感じで、でもこの曲が歌番組とかから流れていて、小学3年生の僕は毎日好きなこと、主にファミコンですが、やりまくって遊んでいた、外でも遊んでたなあ、戻りたいなあ、そんないい思い出が見えないエネルギーとともにこの曲に乗って運ばれてくる感じが好きですね。だから80年代の音楽が一番好きなのだと思います。
KISS YOU / TM NETWORK (1987年)
かなり前にやった「TMN個人的10選」では紹介しきれなかった彼らの1987年のシングルです。大ブレイクを果たした「Get Wild」に続くシングルで80年代の彼らの勢いを感じさせます。元々僕はTMNが解散した1994年から彼らの音楽を聞き出して、その時に出たメンバーそれぞれが編集したベスト盤「Black」「Red」「Blue」に一応入っていた曲でしたが、その当時はスルーして、でもかなり時が経った最近聴くと「いい曲やん」って感じでUSBとかこの記事とかに入れたりしている感じです。音楽は時間経ってもまた別の角度から新たな発見があったりで好きになる曲が増えたりでやっぱり飽きないですね。一回通ったアーティストの当時聞いてなかった曲でまだまだスルーしているのとかあるから、機会があれば聴いてみたいと思います。
SUPER GIRL / 岡村靖幸 (1988年)
これは1980年代を代表するアニメのひとつ「シティハンター2」の初期のエンディングテーマで使われていて、子どもながらに「オシャレな曲やな」と思っていてでも、アニメが終わってからほとんど聴いてなかったのですが、友人が「シティハンター」の主題歌を集めたCDを持っていて有名なTMNの「Get Wild」とか入っているの中にこの曲もあり、「あ、これ知っている。めっちゃ好きやったけど名前知らんかったやつや」って再会を喜んでしまいました。あの80年代後半のバブルな空気感をこれでもかってくらい凝縮した雰囲気抜群の曲で、タイムスリップしてしまいますね。東京のオシャレな暮らしに憧れるすべての人に響くかもなんて思ったりします。まあ時代が違うのでそこは限定されるかもですが。MVの岡村靖幸の若い頃、かっこいいですね。ビデオ自体もかなりオシャレでいい感じです。この後いろいろ覚せい剤とかで捕まったりしたのは残念です。才能あり過ぎてセーブ出来なかった感じですかね。尾崎豊とは大親友だったらしいです。彼が亡くなって余計に精神的に参ったのかな。
M / プリンセスプリンセス (1989年)
ある意味日本音楽史上最高のシングルかもです。一応これがB面的な扱いになるんですかね。このA面というか両A面シングルの片一方があの80年代を代表する一曲「ダイアモンド」で、音楽を聴くようになって「ダイアモンド」の凄さ、小学校5年くらいでまだおぼこい時に聴いても「最高やん」って名曲で、またこの曲もその当時聞いて「いい曲やな」とか思ってましたが、何周か回ってから「ダイアモンドのカップリングがMって」と信じられない衝撃で。これ言うと今のジェンダーに引っかかりそうですが、それもガールズバンドのプリンセスプリンセスが成し遂げたっていうのが、何か時代を大きく先取りしている感じがして、いやでもあのバブルの解放感、そして昭和の豊かな土壌が育んだらそんな夢みたいなことも可能なのかなという時代の奇跡を目の当たりにしたような、そんな印象も受けます。人間の可能性の極限をあの時代にいち早く、一般に魂レベルの高い人が選んで肉体を伴って生まれて来る女性が、今の大谷翔平並みの超人的なレコードを達成する、文字通りレコードにして世に出したっていうことが本当に凄いことやなあって思います。時代はこれから平成の圧倒的な閉塞感へと転がり落ちていくわけですから、令和の今からあの時代の峠を見るような感じで人間の最長不倒を見ながら、励まされてもいいのかなともう一度飛び立ちたいですね。日本人全体が。大げさな感じになってすいません、ですけど、この二つの曲の奇跡を見たらテンション上がってしまいました。
80年代の邦楽もいいですね。結構探せばいい曲があって、これにまだ尾崎豊やBOØWY、ブルーハーツ、忌野清志郎とかレジェンド入れたら結構な回数このテーマでやれるかもとか思ったりします。まあ洋楽ほどは80年代の邦楽には詳しくないので手探りでやっていく感じにはなるとは思いますが、そろそろ定番(?)の80年代洋楽、90年代洋楽、邦楽とかが二桁に届きそうなので、いろいろ音楽記事のジャンルも開拓してやっていかないととか思ったりしております。JAZZやクラシック、ヒーリングミュージックとかにも手を出していきたいなとか。音楽全般が大好きなので、好きな事やっている時が今のハード過ぎる大学のいろいろや年齢の行き過ぎた就活のために卒業研究や課題の山を潜り抜けながらの数打てば当たる方式の就活などの忙しさの中で、自分を解放する空間となっております。やれることはなるべく後悔のないようにやっていきたい派なので、なんとか身体を壊さない程度に人生でも一番くらいにきつくなるであろうこの時期を乗り越えていけたらと思っております。ではまた何かの10選とかで。