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伴走

俺は
とんでもないことを
しでかした

本当は
こうじゃない
もっと
みんな
幸せになった
未来もあったのに

自分の中に
過剰に
閉じ籠って
ゲームみたいに
現実も
人生も
リアルさを
削ぎ落として

不幸になる
一切から
切り離して
むしろ
あえて堕落して

人の苦しみも
痛みも
灰色のバリアーの
向こうに消していった

違うんだ
それは消えてない
やらかしたことも
消えちゃいない

本当は
俺も含めて
こんな無様な姿は
していなかったはず

どこで
ボタンを掛け違えたのか
もう
恐ろしくて
混乱して
麻痺して

決まってしまった
歴史を
他人事みたいに
眺めるしかなかった

ちょうど
今日の夕日が
水平線の向こうに
沈んでいくみたいに

誰のせいでもない
これは
あの日のお前が
戯れの中で
狂いながら
踊り明かした
夜の産物でもある

すべて
自己責任に
帰着するほどに
この世界は
残酷なまでに
精密に出来ている

言葉にすればするほど
虚しい気分にしか
ならないけど

せめて
罪滅ぼしに
誰かの人生の
ボタンの掛け違いの
現場に立ち会って
寄り添いながら

崖の向こうに
堕ちて行かないように
伴走できないか

今は
そんなことを
見ながら
考え始めている

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