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mr_stagram_
等身大
また忘れた
目を使わない
思うことばかりで
風景があったことも
忘れている
遠くの山は
記憶でしかないだろうか
目に入っても
記憶の山には
勝てないから
僕らは
記号を当てはめて
世界に羅列して
閉じ籠る
アイデンティティーは
揺らぐ
山は遠くにある
文字通り
遠くにある
言葉に
覆い尽くされた
壁の向こう
記憶の彼方に
触れられることを
ずっと
待っているかのように
そして
その側で
お前を用意して
立ち尽くしている
それに
気付かないで
言葉は
ストレスとともに
世界を限定して
守りに入る
時には排除して
コスパがいいとか
何とかで
忘れたことも
忘れた
僕たちを
どこかで誰かが
せせら笑っている
聞こえないだけで
もしくは
聞こえないフリして
最短距離で
生きようとして
東京は今日も
密度を高めて
どこへ向かうのか
わからない
大勢を乗せて
夜間飛行へ
飛び立つ
言葉の果てで
誰かが見た景色を
拡散希望
網目を越えて
息が長く続くような
祈りに揺らぐ
天界に近い
部屋を夢想
アイデンティティーは
揺らぐ
でも
それでいい
離れたなら
放たれるから
それの繰り返しで
矮小化を
避けつつ
明日を
等身大で
生きていくんだ