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stilllife
街の麓
やりたいことでも
何でもない
灰色に染まる街で
それでも
生き残りを賭けた
終わりのない
レースは続いていく
脱落者が出たことも
大多数は知らない
アノニマスな
透明に透けて
空気はその分
澱んでいくのか
前向きな強者の論理が
ひたすらに
ステージを上げて
網の外の世界は
格差の崖の下へ
誰が作った
誰が描いた
誰にも見えない
それは
環境破壊の正体と
似ている
自分に残る鍵を
手にして
開けられる扉を
叩いて
違う網目を
描くような
それぞれの吐息
かつてはため息だった
吐息が
灰色の街に
透明なまま
広がっていく
嘆きは癒されたかどうか
時間が解決するだろう
過ちもまた
自己責任と思えたなら
繰り返し
鍵はその手に宿り
新たな扉を
見つけるだろう
終わりを見ながら
新しい始まりを
青い限りの空に描いて
かつてあった
形を刻みながら
街の麓で
それぞれは
それぞれを生きるように
もがいていく──