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黒い炎【2】

限られたものが
僕の道を
決めていく
方向性は
モラトリアムを
解決するか
保留するか
時間潰しな
前進を今は良しとしよう
真っ白な壁の向こうに
夜は広がり
孤独な密度を高めて
言葉は成長する
そう思いたい
相対化の果ての
白けムードに
さよならしたい
必死で走り抜けた
夜は青く
縁取られ
また密度を上げる
種類を問わず
感じる主体を
濃密に
冷凍保存
時が来たら解凍して
また使えばいい
生き延びるために
何でも
無意識に根を張りながら
僕らを運ぶ
舟のような
宇宙の揺らぎ
闇と黒が重なる祈りに
光が降りて
顔を明かす
必死だよ
みんな
誰も違わない
網の奥でいろいろ
絡まりながら
星を眺めて
魂に浸るのさ
そうだった過去を
たくさん
ストックした
アーカイブに触れて
言葉は
再生装置として
見えない焚き火の上で
バチバチと
音を立てて
回りながら
僕らを映している
戻りたいから
手を伸ばして
何もないことに
戻されるまで
自分が誰だったか
思い出すまで
成長から外れた
パラレルで
サイコパスな
テレビのコラージュだとしても
ほんの少しだけ
気持ちの続きが見つかるなら
いや
見つかるまで
闇は黒く
炎を揺らす
顔がバレたお前と
一緒に
生きていく
腰掛けのような
酔いざまし
朝が来た
イメージをいくつも
折り畳んで
朝がまたやってきた
物語を終えたい
気持ちに沿って
日常にそっと
戻される
形を崩さない程度に
かき集めて
夜にまた
物語を始めよう
きっと
楽しいから
生きるから
禁止される前の
遠慮する前の
何かがそこにまだ
残っているから
かけらを集めて
日常の裏に
夜の闇にそっと
炎のように
黒く揺れる
それが好き
理由もなく好き
まだまだ
取り戻したなんて
言えないけど
ランプのぬくもりでもって
方向を示す
今は黒い炎
向こうではきっと
輝いて見えるんだろうな──

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