宿業

つながり 
ひとりじゃない
ことば
触るもの
触れるもの
止めないで
やめないで
切らないで
スーッと
落ちていく
空に浮かぶ凧のように
上か下か
わからない
こどもの無重力
水のような
なつかしい故郷
息を吹きかけて
流れる先を見るような
親のような
大地のような
風のような
太陽のきらめき
少しだけ
ことばが先を越した
見ているだけが
長かった名残
止めるための
壁のからくりも
わかったから
そこも
もうすぐ越えるよ
降り積もる
灰色の雪を
下に見届ける
私を見届ける
私を見届け──

鏡みたいだ
鏡みたい

戻ってきたら
形になって
少し上から
始める
スパイラルは
螺旋のまま

上も下もないけど
とりあえず
重力と逆ベクトルが
まあまあ
世界共通語だから

英語を話すように
ラベルを貼っておく

見つけてほしい
見つけてほしい

それが
全生命の
宿業だろうから──