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安全地帯個人的15選

高校1年でようやく流行りの歌を聴きだした僕は最初はミスチルのイノセントワールドをCDで買いましたが、それから今まで耳にしていたけどしっかりと聞いていなかった有名なバンドとかを片っ端からTYUTAYAでCDレンタルして聞いたりしていました。どんどん素晴らしい音楽に出会っていくあの感じが懐かしいですね。楽しかったです。ミスチルの次はB’z、徳永英明、TMN、CHAGE&ASKA、そして今回紹介する安全地帯。初期の僕の音楽人生でこの6つのバンド、アーティストは特にお気に入りでした。どれもがメロディがよく歌詞もいい、最高でしたね。そんな感じで一番最初に好きになったアーティストの一つが安全地帯で、母親が僕が小学生の時1980年代に家でよく安全地帯の曲をかけていたのもあって、懐かしい感じで聴いていたのも覚えています。アダルトな少し背伸びしたような洗練された音楽をやっていましたが、少し背伸びがしたい高校生の僕にはピッタリでもありました。玉置浩二は90年代のミスチルの桜井和寿と並ぶ日本が生んだ天才だと思います。そんな感じですが早速どうぞ。


ワインレッドの心 (1983年)
僕はてっきりこれが安全地帯のデビュー曲だと思っていたのですがディスコグラフィーを見たら違うんですね。4枚目のシングルで初のオリコンチャートで1位を取った彼らの代表曲のひとつです。まだ20代前半くらいなのにやたら大人っぽい雰囲気の曲で、80年代のバブル前のオシャレなライフスタイルの中での大人の恋、ワインレッドという比喩もまた詩的でいいです。まあでもなかなかこんなバーで口説くみたいな恋は出来ないですね、背伸びしても届かない人生で。まだ諦めてはいないですけど笑。


真夜中すぎの恋 (1984年)
僕が持っていた安全地帯のベスト盤では「Ⅱ」に入っていたのでもう少し年代が後かと思っていましたが初期の曲なんですね。まあよく聞いたらその年代の音しているからわかりそうな感じもしますが。歌謡曲のテイストがまだ滲みながらロックに持っていこうとしている過渡期というか時代性を感じさせて興味深いです。でもメロディーメイカーぶりがいかんなく発揮され始めてキャッチーさ、80年代の空気感、いいです、好きです。ノスタルジーを感じます。こういう雰囲気の曲があの頃まだ保育園とかでしたがテレビとかからかかっていたなとか記憶の奥底を刺激するこんなサウンドが本当にツボですね、個人的に。


…ふたり… (1984年)
今回この記事を書くにあたって初めて知った曲です。時代性とか関係なく普遍性を孕んだ凄い名曲ですね。シングル「真夜中すぎの恋」が思いっきり時代の音なのに対してこのカップリング曲はそれと正反対の普遍性を帯びさせている振り幅の広さがヤバいです。こういう曲が初期にあるとか思っていなかったからやっぱり本来は「アダルト路線」一辺倒ではなくて凄く守備範囲の広いバンドだったんだなあって思ったりします。


恋の予感 (1984年)
かなり好きな曲です。片思いするたびに聴いていろいろ期待してはそうならなかったりと、苦い思い出ばかりですが笑。でも静かにそして確実に進んでいく運命の恋の始まりにこの曲聴いたりしたらたまらないでしょうね。いつかそんな恋がしてみたいです。もうセンスが飛び抜けてますよね、玉置浩二は。80年代最高のメロディーメイカーだとも思ったりします。90年代のミスチル桜井さんとの比較記事が昔あったりしましたが、膝を叩いて「そうだそうだ」とひとり納得していまいした。それくらいこの才能はとんでもないレベルで、大人の雰囲気を書かせたら桜井さんも敵わないと思ったりします。PVは現代に作られたものですが雰囲気がよかったのでこれで失礼します。


熱視線 (1985年)
前曲と打って変わってテンポ、リズムの良い、しかしながら変わらないセンスの良さでとろけさせてくれる楽曲です。最初に買ったベスト盤が1曲目から4曲目の流れが神でワインレッドの心、恋の予感、この熱視線、そして次の悲しみにさよならが最高でしたね。安全地帯にハマるきっかけとなったラインナップです。歌謡曲の重たさもありつつそこから飛翔しようともがくロックでもある、そんな儚いバランス加減が初期の彼らの魅力なんじゃないかなあって思ったりします。


悲しみにさよなら (1985年)
完全に音楽変えてきましたね。それまであった歌謡曲の重さをドライヤーで思いっきり乾かしてシャワーで洗い流してスッキリさせて玉置浩二が本来持っているポップさが類まれなるメロディーを紡ぐ才能とブレンドされて時代を代表する名曲になった、そんな感じがします。玉置浩二の時代を読む才能がこの曲を書かせたのかもしれません。もう歌謡曲じゃない、新しい日本のポップス、ロックの時代が来たんだって。やはり1985年というのは洋楽でもターニングポイントになった年だと個人的に感じるので、世界中の才能ある人はその見えない時代の流れを読んで進化させていくものだなあって興味深く拝見しております。なかなか何がって言語化しにくいですが、音楽を聴いていると何年かに一回くらいやはりそれまでと異なる音楽の表現というかそれがとらえている「精神」みたいなのが変わって来るから音楽は聴いていて飽きてこないですね。見えない世界の歴史を見るようで。少し大げさかも、ですが。


夏の終わりのハーモニー (1986年)
安全地帯と個人的に仲が良かった井上陽水との名デュエット曲です。洋楽とかでも当時デュエット曲とか流行っていたからその流れとかかな、と思ったり。でもこの曲は名曲ですよね。ホント夏の野外コンサートとかで歌われたら一生の思い出になると思います。昭和の豊かな平和のバイブスがこの令和まで届いて来るみたいな。こういう曲、こういう雰囲気では今の時代なかなか出来にくいとか思ったりするので。やっぱり世の中が平和で豊かだったんだなって、この曲聴いて感じたりします。


好きさ (1986年)
何と80年代の傑作アニメのひとつ「めぞん一刻」のオープニングテーマだったんですね。この記事書くまで知らなかったです。とんでもないハイセンスなチョイスだなと。あの頃のアニメは攻めていたし、凄かったですね。これ聞いてアニメ本編見たらテンション上がりますよね。僕も少し見ていて、大人の恋に憧れていました。そういや昔のアニメってルパン三世、あしたのジョー、そしてめぞん一刻、シティーハンターとかもですが、子どもが憧れる大人の世界をちゃんと描いていたなあって、思ったりします。うる星やつらも時々とんでもない神回があって余韻に浸りまくっていたり。それも昭和の大人がしっかり「大人」であることが出来たからかな。今はそんな人種ほとんどいないですから。時代は大きく変わりましたね。僕はやっぱり昔のこういうアニメの方が好きですね。世代的なものもあるのかもしれませんが。


じれったい (1987年)
時代はいよいよバブルに突入してこういう浮かれた感じもセンス良くまとめ上げて落ちて来ないですね、玉置浩二は。洗練されて上手く時代に乗って、人々を楽しませるエンターテイナーって感じが好感持てます。でもやっぱりこういう繊細な才能の持ち主はいろいろとストレスもあるのでしょう、結構玉置浩二のスキャンダルみたいなものもこの頃から耳に入って来たり。そのことはここでは触れないですが、やはり神経いろいろすり減ったりするのでしょうね、これだけハイペースで名曲を書きまくっていると。正式な解散まであと6年ほどありますが、最後まで音楽の質はプライベートでいろいろあっても落ちなかったのはさすがだと思ったりします。


月に濡れたふたり (1988年)
ちょっと外国のオシャレなセンスの良い雰囲気も感じさせて最近好きになった曲でもあります。やっぱり大人の世界描かせたら右に出るものはそういないって感じもします。これも憧れますけど、自分には手が届かない世界を歌っているみたいな。その辺は時代性もあるかも、今はやっぱり恋の歌でも全然違いますもんね、昔はみんな背伸びしていたのでしょうか。今の方がまだ等身大だったりするのかな、そこら辺は疎いのですいません。


I Love You からはじめよう (1988年)
ようやく今のロックぽくなってきました。少し若返ったというか年齢の割の老成感が落ちたというか。結構事務所の戦略に沿って「大人のロック」路線していたけど、本来やりたかったのはこういう若々しい前向きなロックなんじゃないかとか思ったりします。本当のところは分からないですけど。でも80年代とか特にアイドルは事務所の売り出す戦略に沿ってキャラ作って例えばウインクとか彼女たちはかなりふつうに話したりするのが好きだったみたいですがアーティストイメージが「無表情」とかだったのであんまり覚えてないですが歌番組出てもそのイメージ崩れないように頑張っていたとか後に相田翔子とか90年代のバラエティ番組内でぶっちゃけてましたよね。なかなか大変ですね、やりたいこととやらなきゃいけないことが異なっている場合は。安全地帯が本当にそうだったかは知らないですけど、ごめんなさい。でもチェッカーズはそうだったと聞きます。アイドル路線じゃなくて自分たちの好きなロックをやりたかったとか。


情熱 (1990年)
ハードロック全盛期の時代の感じがこの勢いあるロックサウンドに現れていますね。元気があったいい時代なんだなあって今からすると憧れにも似た感情を抱きます。TMNとかチェッカーズの曲もこの1990年くらいの曲はライブ映像はめっちゃ華があって見ごたえあるし。バイブスが全然違うなとか。内面からにじみ出る喜び、健全さ、うーん戻ってみたいっす、この時代に。バブル絶頂とかですかね。小学校6年とかだったんでそこまで社会の雰囲気分かってなかったですが、世の中全体を包むオーラは間違いなく今より明るかったと記憶しております。


いつも君のそばに (1991年)
何とも言えない懐かしい響き、優しさ、涙が自然に出てくるような郷愁。玉置浩二の愛の深さがとんでもないレベルなんだと気づかされるような。きっとバンド内の人間関係も良かったんでしょうね、何回か活動休止しているみたいですけど。そんないい人間関係のバイブスもこの曲から伝わってくるようで大好きな曲です。結構見逃されがちな曲ですが。僕も聞くと「ああ好きだ、いい曲だ」と思うのですがベスト盤「Ⅱ」の最後の方に入っていたりするので結構忘れていたりしていました。人それぞれかもですが。


あの頃へ (1992年)
安全地帯で一番好きな曲です。最初聞いた時は神様が作った音楽だと興奮して聞いたりしていました。それくらいとんでもないところへ聴く人を連れて行ってしまう魔法の音楽だとも思ったりします。まあ個人的な見解でややオーバーな表現かもですが。月桂冠のCMとかにも使われていて雪景色によく合っていたから余計に刷り込まれて好きになったのかも。その前の月桂冠のCM曲が徳永英明の「LOVE IS ALL」でこれもシビれるくらい好きになった曲でしたし。月桂冠のCMは好きでしたね。


ひとりぼっちのエール (1993年)
僕が自分の意志で初めて安全地帯を聞いた1994年には二度目の長期休養に入っていて、実質これがラストシングルみたいな感じになっていたのでそれにふさわしい名曲だなあって思ったりしていました。静かに始まるイントロ、そしてサビに向かって行く高揚感、ラストの大団円のようなコーラス、旅立つ者へのまさに「ひとりぼっちのエール」って感じで励まされますね。ユニコーンにしてもTMNにしても80年代に一時代を築いたバンドの最後のシングルはこの時代名曲が多いです。プライドというか矜持というか、足跡をこういう形で残すんだという意志を感じます。まあでもみんな再結成したりしてますけど。ファンが熱いんでしょうね。イエモンもまた再結成したり、往年のファンには嬉しい出来事ですね。僕個人はキックザカンクルーの2017年の再結成はかなり嬉しかった記憶があります。動画は静止画で失礼します。


起承転結がはっきりとしているような流れやなあと思ったりします。1983年から1993年の約10年のキャリアを見てみると。そこにも何か美しさというか安全地帯が辿った道が光って見える、そんな一つの物語が結晶化されて見えますね。玉置浩二の天才性と時代の幸福性がそのような軌跡を光らせているのかな、とか。ミスチルが描く軌跡はなかなか紆余曲折していてまだ終わりは見えないですが。安全地帯も長期休養とか挟んで復帰したりとかありますが、1993年で何か美しく終わっている感じもしたので今回はそこまでの選曲で。でも冒頭の写真はめっちゃいいのがあったので再結成した最近のものとなっています。にしても80年代はいいですね、やっぱり。「めぞん一刻」の所でも少し触れましたが、あの頃の製作スタッフ、特にテレビ局の製作スタッフの熱量というか粋というか今より高かったような気がして、いい番組がめっちゃ多かったような気がします。最近はほとんどテレビ見ないので、独断も入っていますが。育った環境が製作スタッフの育った環境が時代がまだテレビじゃなく日常の風景とかだったりするから、地に足がついた考えのもとで大地から栄養がいきわたるようにテレビとかに反映されていたのかな、と。僕自身もう物心ついたらテレビは普通にあり、すぐファミコンとかバーチャルな環境に置かれたので、それはもう古い世代とか考えや行動、全然異なって来るのも仕方ないかなと思ったりします。まあ新しい世代には新しい世代の良さもあるのかも、ですがテレビに関して言えば昔の方が作り手の誠実さや熱量が画面から伝わって来る感じがして好きでしたね。まあ個人的な意見かもですが。安全地帯を通して80年代を振り返ってみたらやっぱり80年代という時代の魔法に吸い寄せられてまたこんな感想になってしまいました。戻りたいけど戻れない。でも思い出の中でいつでも、今はインターネットとか動画とかいろいろあるからそこは昔よりいい環境かも。ようは考えようで、暗い時代かもしれないですが、いろいろなところに根を張って栄養吸収して生き延びていきたいと思います。ではまた何かの10選とかで。

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