夜の明かり

エアコンを切った
窓を開ける
風も吹かない夜
浅い眠りから覚めた夜
生きることは
自由だと
暗闇に灯す明かり
新聞が届いた音
ポストがボサッ
人の繋がりは
無限大
涙の範囲は
反比例
ゼロに近い渇き
眠れないのは
自然から
遠くになりすぎたから？
日が沈んでも
明かりは消えないで
人の欲望を回している
生きることは否定しない
生きる意志も否定しない
だけど
揃いも揃って
遠くに来すぎて
忘れ過ぎて
迷子になっている
そう
夜に浮かんでいる
明かりの数だけ
遠ざかる故郷
刻み続ける文明
カルマ
悪いことばかりじゃないけど
たまには
真ん中に
セットしたい
そこから
上下左右
広く眺めたい
突き抜けるフロー
においを失っても
生き続ける
意味を与えたまえ
まだ
死にたくはない
きっと
みんな
そう思って
明かりの中
ひとつひとつに
息づいている