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幻想交差点

君がそこにいないのは
知っている
薄ぼやけた街の色が
合わないのだろうとも思う
それでいいような
朝焼けの中で
さまよい続けた
夜の終わりに
交差点を横切っていく
猫を目で追いながら
それでも帰りたくないと
思わせるものが
取れていない
故郷を忘れて
久しい時が経ち
いない間に
街の色がすべて混ざって
新しい通りを
知らない人たちが
たくさん歩いているのを
受け入れる
たぶんあの頃と
変わっていない
見えなくなっただけ
いなくなったものたちを
忘れてしまっただけ
変わってしまったと
そう思いたい
幻想を生きているだけ
 

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