「対話型」で成長する時代
column vol.1314
この時期は企業決算が相次いでいますが、明暗分かれる内容となっていますね…🤔
中国経済の低迷や人手不足による人件費の高騰などなど、マイナスの要因は各社さまざまですが、今後のことを考えると、どの会社も取り組まないといけないことの1つが、労働生産性の向上でしょう。
労働人口が減少する中、AIなどテクノロジーに頼って省人化するところは省人化する。
一方で、人の手間を省いただけではなく、新しい働き方に意識転換しないといけません。
例えば、労働時間です。
企業には所定労働時間というものがある。
仮に一日暇だったとしでも、何か作業を見つけて8時間程度働く。
もしくは働いている風にしないといけません…(笑)
しかし、こうした概念も変わっていくと思うのです。
それは、一体なぜなのか?
本日は、その理由と、企業を成長させていくための人財成長についてのヒントをお届けしたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
作業から創造へ。変わる時間割
所定労働時間という概念がなくなるかもしれないという話は、AIとの役割分担にあると思います。
単純作業はどんどんAIが代替していく。
一方、私たち人間は高度な認知力を必要とするアイデアの創造といった仕事に、よりシフトしていくことになります。
〈lifehacker / 2024年10月23日〉
所定労働時間という考えは、作業することがベースになっていると思います。
製造業だと分かりやすいのですが、同じものを1日何個つくれるかがポイントになります。
一方、アイデアを生む仕事は1時間で思いつくこともあれば、3時間かかることもある。
新しい価値を創造する場合は、特にマチマチになるでしょう。
そうなると、稼働している時間は量より質が基準になる。
何時間働いたかということよりも、何を生み出したか(どれだけ高いクオリティか)が重要視されるというわけです。
一日8時間と決めなくても、創造できたら業務を終了する。
もちろん、同僚と協働していくことは変わらないので、コアタイムや、連絡し合う時間(つながる権利)は必要ですが、定められている時間ずっと稼働しないといけないという前提は薄れていくのではないかと予想しています。
神経科学者で、『Hyperefficient: Optimize Your Brain to Transform the Way You Work』の著者であるミス・ストローニ博士も、このように仰っています。
その上で、より時間を割きたいのがインプットでしょう。
学習が仕事の一部に
学びの時間というわけですが、リスキリングブームと言われるいるほど、社会人の学習は進んでいません…
総務省統計局が2022年に発表した「社会人の1日の平均勉強時間」は、13分。
2016年の6分から倍になったものの、未だ52.6%の人が勉強していないという結果になっております。
今後は、これまでにない新しいものを生み出していかないといけない時代になるのならば、これまでのことをよく勉強しないといけないでしょう。
有益な学習方法の1つとして挙げたいのが、読書です。
本は数百円、高いといっても2〜3千円で賢人の知恵を拝借できる素晴らしいツール。
ユニクロを展開するファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長、柳井正さんが一流の経営者の本を読み、
と日々考えを巡らせて、ご自身を高められているというのは有名な話です。
つまり、良書を通じて自己対話を繰り返すことで偉大なるグローバル企業の経営者になれたというわけです。
これまでは労働時間が長く、勉強する時間がなかったわけですが、これからは、より “脳力” が試されるようになっていく。
ですから、「仕事=労働」から「仕事=労働+学習」という認識で、新たな仕事の時間割を考えていくことが必要になるのです。
noterの皆さんは、まさにその最先端と言えますね〜😁
古典を自分との対話に
そして今、特に注目が高まっているのが「古典」です。
『みんなが読みたがる文章』の著者で、作家のナムグン・ヨンフンさんは
と、その有益性を語っていらっしゃいます。
〈PRESIDENT Online / 2024年10月27日〉
例えば、今は名門大学の1つであるシカゴ大学も、1929年までは一般的な大学だったのはご存知でしょうか?
それを変えたのが、世界の偉大な古典100冊をすらすらと諳んじるまで学生を卒業させないという「シカゴプラン」です。
これを取り入れて以降、同大学は80名を超えるノーベル賞受賞者を輩出する学校に生まれ変わりました。
古典は100年、200年、そして1000年を超えて読み継がれているものもあり、長い年月で忘れ去らないだけあるほど本質が詰まっている。
ヨンフンさんも作家について
と仰っています。
もちろん、ビジネスにおいても同じです。
古典は「温故知新」の製造装置。
良質な本との対話が、新しい創造へとつながっていくのです。
「オープン・クエッション」が脳力を高める
仕事の現場でも対話がポイントになります。
例えば、人財の育成についてです。
これまでは、上司は部下に教えることが仕事でした。
しかし、変化の激しい時代は、これまでの正解に固執することは、成功体験にしがみつくのと同じことになります。
そこで、重要になるのが「問い」による対話です。
今までにない価値を創造していくためには、気付きの力を高めていくことが肝要となります。
経営層を対象としたエグゼクティブ・コーチングを行うコーチ・エィの執行役員、片桐多佳子さんは、問いかけにおいて重要になるのは「オープン・クエッション」であると仰っています。
〈BCN+R / 2024年10月24日〉
ちなみに、その反対がクローズド・クエッション。
「はい」「いいえ」と答えられる回答が限定される質問です。
例えば、
という質問は、「いいえ」と答えられる人は少ないでしょうし、「スキルアップしなさい」と言われているようなものです(笑)
対して、「オープン」は回答者が自由に考えて答える質問。
同じ質問でも
と聞けば、スキルアップ以外の答えもあるかもしれない。
大切なのは、考えること。
自分との対話、人との対話を行い、知を磨いていく。
その議論の燃料として学び続ける。
さまざまなことを深く考察することが、創造性時代のカギとなるのです😊
〜というこで、仕事と時間の概念を変え、学習と対話を繰り返していく。
そんなことを自分に課しつつ、我が社の社員への環境づくりに活かしていきたいと思っております。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!