「忍耐」こそが「大器」をつくる
column vol.1150
そんな記事のタイトルに心が躍ります。
〈よろず〜ニュース / 2024年2月29日〉
募集人数は4人。
場所はテキサス州のジョンソン宇宙センターにある火星を模した1700平方フィート(158平方メートル)の居住空間「マーズ・デューン・アルファ」。
ここで1年間生活した暁には、同空間で起きている間は1時間10ドル(約1500円)が支払われ、合計6万ドル(約900万円)ほどの報酬が見込めるとのことです〜
…ただ…、条件に
などが挙げられているので、私は該当しないのですが…(笑)、非常に興味深い企画だと感じました。
そして、NASAは何より「家族から離れた孤立生活への忍耐力」を求めているのですが、最近、この “忍耐力” こそビジネスにおいて、いや人生において非常に重要な能力なのではないかと思うのです。
ジョブスが重視した「資質」とは?
「大器晩成」という言葉がありますよね?
という意味です。
「大器」とは、大きな才能や能力を持った人のことを指しますが、この「器」は「人間としての器」と捉えてた方がしっくりするというのが、私の想いです。
つまり、徐々に養っていかないといけない実力とは、「心の広さ」、「忍耐力」ということ。
例えば、スティーブ・ジョブズといえば、どんなイメージを持つでしょうか?
革新性、先見性、独創性など、まさに才能の塊というイメージを抱く方は多いと思います。
そんなジョブズが非常に重視した起業家の資質が「忍耐力」なのです。
〈lifehacker / 2024年2月18日〉
成功は「忍耐」によって支えられる。
事業を継続することは短距離走ではなく、マラソンであり、それはそれは長い道のり。
その間には、多くの挫折、拒絶、自信喪失、幾度もの失敗などが押し寄せてくるわけです…
そして、よく「職場の悩みの大半は人間関係」と言いますが、天才ゆえに理解されないという「人間関係の悩み」に逃げずに向き合いながら、ジョブズは成功を収めたことでしょう。
心の広さは「理解の広さ」
そして「忍耐力」の決め手が「理解力」であると考えています。
ただ耐えるだけでは辛いだけですが、自分と違う価値観・考え方の相手だったとしても、理解できれば受け入れることができるわけです。
フランスの哲学者、エマニュエル・レヴィナスは「他者」を「自分以外の人」ではなく
と定義しております。
〈東洋経済オンライン / 2024年2月22日〉
その上で、レヴィナスは「他者」の重要性と可能性について論じ続けています。
理解できない相手と触れ合うからこそ、新たな発見や自己認識、成長のきっかけになるという考えです。
パブリックスピーカーで、ライプニッツ代表の山口周さんは
と仰っています。
よく先生や上司から言われたばかりの時は理解できなくても、ある体験をすることで理解できることはありますよね?
これぞ、分かったことで、変われた瞬間。
一方で、変わっても、前までの自分のことも理解している。
つまり、人間(理解)の器が広がったというわけです。
逆に苦手な人(分からない人)を拒絶してしまうと、分かる機会を失ってしまう。
それはそれで1つの人生ですが、「自分を大器にする」という目的とは相反しそうな予感がします。
「理解」とは「顔」を見ること
では、「理解する(できる)」ことのコツなどはあるのでしょうか?
私はレヴィナスの次の言葉に、そのヒントが隠されているのではないかと思っています。
少しこの言葉を解説しますね。
「他人を傷つけないように」という前提があるけれど、実際には人を傷つけることができてしまうと言っています。
でも、他人の顔をじっと見て、その人の気持ちを考える時、私たちはその人を傷つけたくなくなる。
だから、人と向き合う時は、相手の気持ちを大切にしようという話です。
つまり、理解の一歩はちゃんと相手の顔を見るということになります。
ついつい、苦手な人に対しては顔を背けて話をしてしまうことが多い…
でも大器になる人は、様々な人と和を築いて事を成すを知っています。
変なプライドに囚われず、自分から先に相手の顔を見つめる(理解しようとする)。
そういう心の広さが大器をつくるのだろうと感じています。
今日はそんなお話でした😊