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加速する「クリエーターエコノミー」
column vol.948
昨夜は東日本大震災の被災地、宮城で羽生結弦さんと内村航平さんの豪華共演が見られたそうですね。
〈スポーツ報知 / 2023年3月10日〉
世界トップクラスのオリンピアンの演技は多くの人に感動を与えたことでしょう。
ちなみに、当社には羽生さんの小学校時代の同級生がいて、当時の貴重なエピソードを聞くことができます😊
プロスケーターに転向した後も、このように復興のシンボルとして注目を集めることは凄いことですね。
「3.11」は12年経った今も色濃く残る記憶。
この出来事は多くの人々の人生観を変えたと言われています。
今という時間を輝かせる
仕事や家事、育児など誰かに尽くす時間だけではなく、自分が主役の時間も大切にする。
今日、「クリエーターエコノミー」が盛り上がってきていますが、そうした価値観の変化も少なからず影響を与えたでしょう。
そして、その経済圏はますます膨らもうとしています。
「30兆円市場」の可能性
ちなみにクリエーターエコノミーとは、企業ではない個人が映像や音楽などのコンテンツを制作し、それらを販売したり広告での収入を獲得したりすることで収益を得る新しい経済圏のこと。
まさにnoteは、その1つ(一部)です。
アメリカの調査会社「インフルエンサー・マーケティング・ハブ」の推計によると、クリエーターエコノミーのグローバル市場規模は、2022年で1640億ドル(約22.3兆円)。
23年には2110億ドル(約28.7兆円)に達すると予測されています。
〈日経ビジネス / 2023年3月8日〉
同市場に関わる人口も現時点で世界総人口の約23%、ほぼ4人に1人まで達していると見られているのです。
日本でも21年7月に「クリエイターエコノミー協会」が設立。
〈クリエイターエコノミー協会 / サイト〉
設立当初はnoteやBASEなど計7社(団体)でスタートしたのですが、23年1月現在で52団体まで拡大。
さらに同協会の調査によると、21年における国内クリエーターエコノミー市場は約1兆3600億円と、前年比で18%の増加でした。
さらに、34年以降には10兆円を超える市場に成長すると予想されています。
【日本初!国内クリエイターエコノミー調査結果を発表】
日本政府の「骨太方針」でも推進
さらに大きいのが、日本政府もこの潮流を日本経済の活性化の起爆剤にしようとしていることです。
昨年の「骨太方針」では「クリエーターの創作活動の支援」が推進対象として明記されました。
さらに「知的財産推進計画2022」では、クリエーターとユーザーの共創の促進について言及しています。
経済産業省は「Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業」として実証実験イベントを立て続けに実施。
直近では、今年1月に「メタバースファッションコンテスト」を開催しました。
同事業のロードマップでは、日本の強みである「クリエーターを軸にした国際競争力を有するクリエーターエコノミーの創出・拡充」の実現をありたい姿(目標)としているのです。
なぜが国を挙げて拡大を狙っているのか?
それは「Web3.0」や「メタバース」などの経済トレンドと親和性が良いことにあるでしょう。
他にも消費者=(コンテンツ)生産者という面から、企業が「インフルエンサー」「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」に注目していること。
生活者の生活者による経済の創出という点では「人間中心」「DAO(分散型自律組織)」といった社会トレンドと関連していることがポイントになっています。
働き方の柔軟性を高める点で「働き方改革(副業、ジョブ型雇用)」にもつながっていることも見逃せませんね。
ちなみに、この日本のクリエーターエコノミー拡大でメインキャストの1つになっているnoteでも、最近、ヴァンガード作品をつかった創作が可能になるなど、新しい進化を見せています。
![](https://assets.st-note.com/img/1678498978730-LsOYIELePG.png?width=1200)
【noteでヴァンガード作品をつかった創作が可能に!クリエイターの安心・安全な創作と収益化をサポート】
今後もジェネレーティブ AI(生成人工知能)など先端テクノロジーを活用していくことで、市場はますます盛り上がっていくことになるでしょう。
KDDIが新サービス「αU」を開始
最後は、今週報道されたクリエーターエコノミーに関する新サービスについて取り上げたいと思います。
KDDIが、メタバース・Web3サービス「αU(アルファユー)」を開始しました。
〈Web担当者Forum / 2023年3月8日〉
これは、メタバース、ライブ配信、バーチャルショッピングなどのWeb3時代のサービスを通じて、音楽ライブやアート鑑賞、友人との会話やショッピングなどの日常体験を、いつどこにいても楽しむことができるというもの。
国内外のパートナーと連携し、日本のクリエーターやコンテンツのグローバル展開を支援します。
【αU metaverse】
…再現された渋谷や大阪の街でエンタメや友人との会話を楽しめる。
【αU live】
…360度自由視点の高精細な音楽ライブを楽しめる。
【αU market】
…NFTなどを購入できる電子取引市場。
【αU wallet】
…暗号資産を管理できる暗号資産ウォレット。
【αU place】
…実店舗と連動したバーチャル店舗でショッピングが可能に。
![](https://assets.st-note.com/img/1678497757754-pT8JnEPXs4.png?width=1200)
このように「αU」を冠にしたWeb3サービスを拡張していきます。
KDDIはこれまでも、2020年5月に都市連動型メタバース「バーチャル渋谷」、22年10月にリアルとバーチャル空間が連動する「デジタルツイン渋谷」など5G通信とAR(拡張現実)・MR(複合現実)を活用した都市体験の拡張に取り組んできました。
バーチャル渋谷では3年にわたって音楽ライブやアニメ・漫画キャラクターのトークショーなど提供。
今後、αUでは「体験する場所」から「発信する場所」へと発展してクリエイターエコノミーを創出していくそうです。
他にもWeb3技術ということでいえば、【次のSNSの注目株とは?】でも言及しましたが、「分散型SNS(DAO/分散型自律組織)」についても見逃せません。
34年の国内10兆円市場において、自分がどんな表現活動をしているのか?
そんな10年後の世界を夢想しながら、己のクリエイティビティを磨いていきたいと思います。