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世の中どうよ

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世の中、社会、不満もありましょう。憤りもありましょう。ほっとするニュースがあればいいですね。自分もその中に確かに存在する、その世の中。少しでも別の視点があれば、シェアしたいなと思…
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#言葉

人目を気にしない

人目を気にしない

小学3年生。よく勉強ができる子たちである。詳述は避けるが、国語のパズル的な問題があって、そこにある漢字で二字熟語をつくり、書き出すものがあった。子どもたちは見抜いた。「目」と「人」とで熟語を作ればよい。さあ、「目人」か「人目」か、どちらかひとつだ。ここで、全員が「目人」を選んで書いた。
 
「あら、『ひとめ』って言葉、使うでしょう」と私が問うが、きょとんとしている。「『ひとめ』を気にする、なんて言

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言葉の変化

言葉の変化

「ちゅらさん」の再放送を見ている。主人公の恵里ちゃんのぶっとんだところには、むしろ心が洗われるような気もするのだが、看護婦になっての成長もまた見所ではある。ドラマは元々2001年に放送されていた。
 
と、ここまで、何か引っかかるところはなかっただろうか。言葉である。ドラマではすべて「看護婦」という語が飛び交っていた。いまは「看護師」という。男女雇用機会均等法などの背景があり、男女の呼称の区別を撤

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殺す言葉ではなく

殺す言葉ではなく

そのラジオのパーソナリティは、たいへん物知りである。多彩な趣味もさることながら、どんな話題にでも、蘊蓄と経験がその口から溢れるばかりにこぼれてくる。性格的にも嫌味がないので、リスナーはもちろんのこと、アシスタントのアナウンサーも、とても感心しているようだ。
 
あるとき、どうしてそんなに物知りなんですか、という根本的なことを尋ねている会話が、ラジオから流れてきた。このパーソナリティは、誠実な人であ

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思い込みは誰にでもある

思い込みは誰にでもある

長男が小学生のときのことだった。作文を書いた。今度はたこ焼きの話ではない。教会学校でクリスマスの話を聞いたことだった。マリアの懐妊に先立って、親類のエリサベトが洗礼者ヨハネを授かる。
 
若い女の先生だったが、「エリサベト」のところを、朱で「エリザベス」と直していた。いや、彼は「エリサベツ」と、その時の聖書に従って書いていたような気もする。
 
先生は知らないんだね、と私は息子に説明し、そのことに

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耳ざわりのよい言葉

耳ざわりのよい言葉

耳ざわりのよい言葉について考えてみる。
 
などと言うと、クレームの嵐が襲ってきそうである。「流れに棹さす」とか「気の置けない」とか、正反対の意味に勘違いして使われる言葉が、毎年言葉の調査で報道されるが、「耳ざわり」もその部類であるかもしれない。推測するに「耳触り」だと思い込んでの誤用であり、「耳障り」という意味を思いつかない人たちの使い方ではないか、という気がするが、的を外しているかもしれない。

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言葉の通じない相手

言葉の通じない相手

事細かに描写はしないことにするが、電車や駅で、ひどく不愉快に感じる事態に出会うことがある。小さな不愉快は日常茶飯事だが、これほどは、というものだ。若い人だと、絡んでくることはまずないが、年配の人のほうが、より鈍感で、厚かましいことがある。口で言ってくるからだ。
 
いや、それはおかしいですよ。私も、昔ならば言ったかもしれない。だが現実には、逆ギレされたという報道が頭を過り、口論はしないほうがいい、

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出来心

出来心

生活に困っている人のために配分されることになった給付金などについて、不正に取得している者がいることが明るみになり、国民は怒っている。当然である。これを国税局の職員がやっていたとなると、言語道断であるし、政府の面目が丸潰れである。だが、それだけを悪者にするわけにはゆかない。それ以前から、一般人の中で多々なされていることが浮かび上がり、テレビのワイドショー関係が、熱心に取材して伝えている。
 
こうし

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本当にそれでいいのか

本当にそれでいいのか

「民主主義」は絶対的な善である。
「分断」は悪である。
 
本当にそれがすべてなのか。そこから何か間違った道に水が流れていくようなことにはならないか。こうした眼差しで、世を見張ることにも、キリスト者は神から期待されているものだと考えている。
 
たとえば「民主主義」は、古代ギリシアのプラトンからみれば、衆愚政治であり、人間社会を滅ぼすものと見られていた。もちろん時代背景や政治状況がいまとは異なる。

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