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カウンターレディはプ女子

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ラウンジで働くあずきはプロレス好きなシングルマザー。ある問題に遭遇する中、手を差し伸べてくれたのは同じラウンジで働くママやすみちゃん、そしてすみちゃんの”友達”の石塚だった。
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2024年11月の記事一覧

カウンターレディはプ女子④:創作小説と私

カウンターレディはプ女子④:創作小説と私

ゆっくりとふすまが開き、あずきが顔を覗かせた。
「あずちゃん、もしかして眠れないの?」
スマホをダイニングテーブルに置いて、石塚は
あずきと向き合う。これは思った以上に精神的に
参っているのかもしれない。早めに何か対策を
考えないといけない、石塚はそう思い始めた。

「あの・・・出来たら傍に居てくれませんか。」
「えっ?」
石塚も寝室にまで立ち入るのには抵抗があった。
いくら自分がすみちゃんの”友

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カウンターレディはプ女子⑤:創作小説と私

カウンターレディはプ女子⑤:創作小説と私

「石やんありがとね、あずちゃんのこと。」
閉店後の店内で、石塚と同い歳の陽子ママが言う。
すみちゃんから一通りの事情は聞いているのだろう。
「あんな話聞いて頼りにもされちゃ、何もしない
訳にはいかんでしょ。」
そう言って石塚は一瞬すみちゃんに視線を移す。
何か言いたげな顔だ。
だが今はママと話をするのが先だろう。

石塚は車での通勤や親御さんへの連絡など、自身の
考えを陽子ママへと伝えた。
「車は

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カウンターレディはプ女子⑥:創作小説と私

カウンターレディはプ女子⑥:創作小説と私

石塚は先週末にあずきを送っていった時とは逆の
方向へと車を向けた。
あずきが焦って声を掛ける。
「石やん?」
「ちょっと遠回りするね、見られたくないし。」
「あ・・・。」
あずきが安堵する。
石塚なら大丈夫、そう思っていたはずの心が思わず
揺らいでしまったのが恥ずかしくなった。

「それでさ、あずちゃん。」
「はい?」
「オレの勝手な考えかもしれないけど、しばらく
お母さんの所に居た方がいいんじゃ

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カウンターレディはプ女子⑦:創作小説と私

カウンターレディはプ女子⑦:創作小説と私

あずきは石塚から視線を外したまま、ゆっくりと
語り始めた。

「アタシがまだ小学校に入る前に、父は病気で
亡くなったんです。それからはずっと母が一人で
アタシを育ててくれました。」
「高校を出てすぐに働き始めて、母には少しでも
親孝行出来たらと思って頑張ってました。そんな時
”アイツ”と出逢ったんです。」
石塚は頷きながら、あずきの話に耳を傾けていた。

「最初はすごく優しくて、アタシが我侭言って

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カウンターレディはプ女子⑧:創作小説と私

カウンターレディはプ女子⑧:創作小説と私

”覚悟”。
すみちゃんの言葉は石塚の想像以上に重かった。
あずきから事情を聞かされたということは、自分も
向き合わなければならないということだ。
あずきの心に刻まれた深いキズ。
日頃見せる明るい表情の下に隠された暗い闇。
石塚は目を細め、じっくりと考える。

即答出来ずにいる石塚にすみちゃんが続ける。
「私は自分で旦那を選んで、子供も産んだ。私が
今こうしてる原因の半分は私。でもあずは選ぶ事も

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カウンターレディはプ女子⑨:創作小説と私

カウンターレディはプ女子⑨:創作小説と私

月曜日の夜。
閉店作業を終えて帰ろうとしたあずきは、数人の
警察官に囲まれた石塚の車を見て慌てて駆け寄った。
「あずちゃん。一緒に事情を説明してくれるかな?」
石塚は職務質問を受けているところだった。
この辺りでストーカーらしき人物がいると警ら中の
警官に、あずきを迎えに来て車で待っていた石塚が
引っ掛かったのである。
「この人は違うんです。」
あずきは自分が通報した案件で、石塚はそのために
協力

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カウンターレディはプ女子⑩:創作小説と私

カウンターレディはプ女子⑩:創作小説と私

男が抵抗をやめ、石塚が馬乗りの状態のままで
半ば放心していると、入口から警官が入ってきた。
数人の警官の後ろにすみちゃんが居る。どうやら
従業員用の裏口から抜け出して通報したらしい。

石塚は立ち上がるとそのまま壁に寄りかかった。
「裕哉!大丈夫?!」
心配そうに声を掛けるすみちゃんに対して、石塚は
人差し指でそのおでこを軽くつついた。
「あのさぁ、”ここ”で裕哉って呼ぶなよ・・・。」
そう言って

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カウンターレディはプ女子⑪:創作小説と私

カウンターレディはプ女子⑪:創作小説と私

セルフネグレクト。
外見や健康・衛生、生活環境から金銭の管理に至る
まで、自身に対するセルフケアがまともに出来ない
状況を表す言葉である。
石塚は自身がそうだと独白した。
それにしては普段、清潔感もちゃんとあるし服装も
簡素とはいえまともだ。一見しただけではとても
そんな印象は受けない。

「石やんってそんな風には見えないですけど。」
「社会人だから家から1歩外に出ればイヤでも誰かと
関わることに

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