カウンターレディはプ女子⑬:創作小説と私
あずきに案内され辿り着いたのは、築数十年に
なろうかという昔ながらの木造長屋の一角だった。
「母さん、石塚さん連れてきたよ。」
あずきが玄関から声を掛けると、奥からあずきの
母が恭しくお辞儀をしながら現れた。
「こんばんは、石塚です。」
「いしづかさん!」
甲斐人くんが石塚に合わせてあずきの母に言う。
「石塚さん、この度はあずきを助けていただいて、
本当にありがとうございます。」
「いえ、たまたま話を聞いたものですから。」
「さ、どうぞお入りください。」
石塚から見たあずき