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ある野球少年の創作日誌

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記事一覧

私じゃダメだから 散文詩#26

あなたが異性と話す時
私はすごく嫌な気持ちになる
嫉妬などではない
ただ…
ただあなたに申し訳なくて
私があなたの隣だから
私なんかがあなたの隣だから
あなたの幸せを
あの人の幸せを
奪ってしまっているんじゃないかって
でも
それでもあなたは私を選んでくれた
私の名前を呼んでくれた
私は物言わぬ木にでもなって
あなたの事を眺めるだけでもよかったのに
すれ違いながらも本音で
話し合えるようにしてくれ

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1日24時間 散文詩#25

1日24時間じゃ足りない
でももし1日36時間ならなんて言うだろう
もし1日48時間ならなんて言うだろう
多分僕は同じ事を言うだろう
逆に考えてみる
1日12時間だったらなんて言うだろう 
1日6時間だったらなんて言うだろう
それでも僕は同じ事を言うだろう
その願いが叶った結果がこの今だと考えてみれば
ちょっと長く感じてくるんじゃない?

あいいろ 散文詩#24

あいいろ 散文詩#24

あいいろ
月明かりが照らす空

あいいろ
君の瞳の中

あいいろ
君との日々

あいいろ
家の窓から庭を照らす

あいいろ
冷たく青い、そして暖かく赤い

運命 散文詩#23

今日も明日の私を想像する
そこで浮かび上がるのは今日の私
見えない明日に明日の私を想像するなんて
私にはできない
私が生きているのは今日
私が生きているのは今
決められた明日なんて存在しない
決められた1秒後なんて存在しない
約束された将来なんて存在しない
運命なんてクソ喰らえ
今を生きる私には
意味を持たぬ言葉だから

初恋 散文詩#22

景色が白に見えるほど
照りつける陽の陰に居た
君は陽より目立ってた
夏休み塾の帰り道

ある秋の日の帰り道
まだまだ暑くYシャツが
肌にくっつき気持ち悪い
その時君が差し出した
タオルは夕陽で染まってた

裏山が薄い赤になり
肌寒くなった帰り道
使うにはまだ少し早い
カイロを差し出す君の隣に
赤い木の葉を散らすような
風を僕は吹き付けられた

夢追う者 1/? 1568字 物語#9

1
今日はおじいちゃんの葬式。
おじいちゃんは急死だったので家族はまだ"それ" を受け入れきれていない。

トン、トトン、トン

スティックでドラム練習パッドを叩く音。
葬儀場の待合室では軽快なリズムが響く。
誰が見ても今の状況に合わないと分かる。
「おい…おい!おにぃ!今日ぐらいはやめろよ」
弟が言った。
「…ん?あぁすまん。暇だったからつい練習
しちゃって…」
と兄はヘラヘラ笑う。
「すぐ片付

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瞬き ショートショート#33

ある日、目が覚めると自分の全く知らない世界に居た。
何か…洋風の豪邸にある寝室の様な場所だった。
夢でも見ているのか?と思って目を擦る。
するとそこにはいつもの世界がある。
寝ぼけているとわかった俺は隣の脱衣所に
向かって顔を洗った。
そして後ろに置いてあるタオルを目を瞑りながら探す。
だけど手は空振るだけだった。
結局その方向に目を向けた。
すると、そこはさっきと同じような場所だった。
何がなん

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この世界 散文詩#21

優しい世界

こんなに優しい世界にいていいのかと思う。

だけど皆優しいから

ここにいてもいいよと言ってくる。

そんな世界。

優しすぎて逆に居づらいなんて

この世界で言えるはずもない。

みんなが優しいから

自分勝手な事なんて言えるはずもない。

そんな世界。

内面 散文詩#20

君に見せない

僕は見たくない

そんな一面

この先も見ないまま

騙し騙しで見せないまま

僕の名前はそんなに悪くない 物語#8 2085字

今日のような雨の降る秋の日。
僕の名前は初めて僕の名前になった気がした。

今日も人の少ない電車の中。
同じ高校の制服を来たのは僕と君だけ。
「今日さぁ〜数学のムラオカさぁ、ガチで
ウザかったよ〜?ちょっとぐらいカラーリップ
塗ったって良くない!?」
彼女の名前はリナ。
彼女とは高校からの付き合いである。
自分は県外から来ているので、一緒に登下校する人は居ないと思っていたのだが入学初日の帰り道にた

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気づかないで 散文詩#19

遠い席にいる君に向かって独り言。

届いて欲しいと願いながらも
気づかないでと想い続ける。

机に突っ伏して寝た振りをする。

話しかけてほしくないけど
心配して声をかけてくれないかと願う。
君は寝てる人を起こすような人じゃないのに。

今日だって君と話す内容を考えてきた。
でもそのストックは増えていくばかり。

いつかこの矛盾が解消される日を願って
今日も僕は想いをはせる。

水の先 散文詩#18

水の先 散文詩#18

人魚のように美しい君。

だけど君は水面の先の世界にいる。

それでも近づきたくて手を伸ばした。

その伸ばした手は見当違いの場所に手が伸びた。

屈折のせいで君の事を逃してしまった。

いや、それは言い訳かもしれない。

一度警戒してしまえばもう戻ってはこない。

人魚のように美しい君。

僕は君との間の屈折を理解できない釣り人さ。

まだ一人も釣れたことはないけどね。

僕の秘密 散文詩#17

君には知られたくない秘密がある。
だけど知ってて欲しいこの秘密。

いつまでも君を見ていたい。
だけど見られるのは恥ずかしい。

声を大にして伝えたい。
だけど話しかけることすら出来ない。

君に伝えたい。
だけど伝えられない。
君から伝えてほしいという願い。
届くわけのないこの願い。

成長した君 散文詩#16

僕は嬉しい。
変わった…成長した君が嬉しい。
僕を差し置いて…

僕と一緒では見せなかったその表情。
あいつと一緒になってから君は成長した。

僕では咲かせられなかった花。
あいつは咲かせてみせた。

これでいい。
君は変わった。
君が成長したのだから。

そう言い聞かせた僕は直視できないほどまぶしい君を見て目を逸らした。