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私じゃダメだから 散文詩#26
あなたが異性と話す時
私はすごく嫌な気持ちになる
嫉妬などではない
ただ…
ただあなたに申し訳なくて
私があなたの隣だから
私なんかがあなたの隣だから
あなたの幸せを
あの人の幸せを
奪ってしまっているんじゃないかって
でも
それでもあなたは私を選んでくれた
私の名前を呼んでくれた
私は物言わぬ木にでもなって
あなたの事を眺めるだけでもよかったのに
すれ違いながらも本音で
話し合えるようにしてくれ
1日24時間 散文詩#25
1日24時間じゃ足りない
でももし1日36時間ならなんて言うだろう
もし1日48時間ならなんて言うだろう
多分僕は同じ事を言うだろう
逆に考えてみる
1日12時間だったらなんて言うだろう
1日6時間だったらなんて言うだろう
それでも僕は同じ事を言うだろう
その願いが叶った結果がこの今だと考えてみれば
ちょっと長く感じてくるんじゃない?
この世界 散文詩#21
優しい世界
こんなに優しい世界にいていいのかと思う。
だけど皆優しいから
ここにいてもいいよと言ってくる。
そんな世界。
優しすぎて逆に居づらいなんて
この世界で言えるはずもない。
みんなが優しいから
自分勝手な事なんて言えるはずもない。
そんな世界。
気づかないで 散文詩#19
遠い席にいる君に向かって独り言。
届いて欲しいと願いながらも
気づかないでと想い続ける。
机に突っ伏して寝た振りをする。
話しかけてほしくないけど
心配して声をかけてくれないかと願う。
君は寝てる人を起こすような人じゃないのに。
今日だって君と話す内容を考えてきた。
でもそのストックは増えていくばかり。
いつかこの矛盾が解消される日を願って
今日も僕は想いをはせる。
水の先 散文詩#18
人魚のように美しい君。
だけど君は水面の先の世界にいる。
それでも近づきたくて手を伸ばした。
その伸ばした手は見当違いの場所に手が伸びた。
屈折のせいで君の事を逃してしまった。
いや、それは言い訳かもしれない。
一度警戒してしまえばもう戻ってはこない。
人魚のように美しい君。
僕は君との間の屈折を理解できない釣り人さ。
まだ一人も釣れたことはないけどね。
僕の秘密 散文詩#17
君には知られたくない秘密がある。
だけど知ってて欲しいこの秘密。
いつまでも君を見ていたい。
だけど見られるのは恥ずかしい。
声を大にして伝えたい。
だけど話しかけることすら出来ない。
君に伝えたい。
だけど伝えられない。
君から伝えてほしいという願い。
届くわけのないこの願い。
成長した君 散文詩#16
僕は嬉しい。
変わった…成長した君が嬉しい。
僕を差し置いて…
僕と一緒では見せなかったその表情。
あいつと一緒になってから君は成長した。
僕では咲かせられなかった花。
あいつは咲かせてみせた。
これでいい。
君は変わった。
君が成長したのだから。
そう言い聞かせた僕は直視できないほどまぶしい君を見て目を逸らした。