見出し画像

【ゾッとする話】「依存性のあるアレがやめられない」がある幸せ

以前、九州に出向していたときのこと

妻は某空港の観光案内所のアルバイトを見付け

週に3日程度のペースで勤務



妻は車の運転ができないため、通勤はバス

もしくは、時間が合えば、自分が空港まで送り迎えしていました


その日は、早めに仕事が終ったのため、

帰宅がてら空港に妻を迎えに行くことに


空港に着いた後のルーティーンは、2階の広場から飛行機の離発着を眺めること

缶コーヒーを飲みながらただボーッとするだけの豊かな時間を楽しんでいました



(あの飛行機は羽田に行くのかなー・・・早く出向が終るといいなー)



真冬の寒さに薄暗い照明

そんな雰囲気も手伝って、少しだけホームシックな気持ちになったとき


〈トントンッ〉


誰かが肩を叩きます・・・



そこにはもちろんバイトを終えた妻

意表を突かれたため、少し驚いてバッと振り返ります



「おっ・・・お疲れ様、帰ろうか」



駐車場に向かって歩き出すや否や・・・


バイト終りで興奮気味の妻が勢いよく話し出します


「今日ね!台湾の人が来たと思って中国語で話しかけたら、『私、ベトナム人なので韓国語はわかりません』って、流暢な日本語で言われたの」



(あぁ・・・)

空港でボーッとしてた自分に対する一発目の会話にしては

ゾッとするほどのややこしさ



「えっと、ごめん、もう一度いい?」




次こそは聞き取るべく、しっかりと耳を傾けます



「だからね!

台湾の人が来たと思って中国語で話しかけたら、

『私、ベトナム人なので韓国語はわかりません』って、

流暢な日本語で言われたの」



(ほぉ・・・これはこれは・・・)


聞き返したはずなのに

まるで初めて聞いたかのような

予想以上の難易度



「えっと・・・中国語で話しかけたの?」


何度も聞き返すと話の腰を折ってしまうので、

聞き取れた範囲で妻に返答します


「そう!パッと見、台湾人だと思って中国語で話し掛けた人が、ベトナム人だったの」


心の中でそっと復唱します

(中国語で話し掛けた相手は台湾人ではなくてベトナム人だった)


「でもね、その人、私が中国語で話し掛けたのに、『韓国語はわかりません』だって」


(しかも、そのベトナム人は妻の中国語を韓国語だと思った)


「しかも、流暢な日本語だったの!おかしいよね」


(そして、中国、台湾、韓国、ベトナムのどれでもなく流暢な日本語で返事してきた)




何と・・・ゾッとするほど複雑で面白い話じゃないですか!?



全てを理解した自分

まるでパーッと明るい光が降り注いできたような感じでした



「台湾の人が来たと思って中国語で話しかけたら、『私、ベトナム人なので韓国語はわかりません』って、流暢な日本語で言われたの?」



試しに、先のフレーズを言ってみます


すると、さっきまでゾッとするほど難しいと思っていたフレーズが

何と心地よいフレーズに変わったことか



「・・・ってことは、台湾の人が来たと思って中国語で話しかけたら、『私、ベトナム人なので韓国語はわかりません』って、流暢な日本語で言われたってこと?」


ゲラゲラ笑っては

言葉を覚えたばかりの子供のように同じフレーズを何度も繰り返す自分



「台湾の人が来たと思って中国語で話しかけたら、『私、ベトナム人なので韓国語はわかりません』って、流暢な日本語で言われるなんて状況、あり得ないね!?」


もうあのフレーズの中毒状態

ひと気のない駐車場に奇妙なフレーズが鳴り響き

妻はゾッとするほど引いていましたとさ



以上!

いかがだったでしょうか


寿限無(じゅげむ)を覚えたような

歴代総理を覚えてスラスラと言えるようになったときのような

ゾッとするようなアノ快感


みなさんも遠慮せず

「台湾の人が来たと思って中国語で話しかけたら、『私、ベトナム人なので韓国語はわかりません』って、流暢な日本語で言われた人がいるらしいよ」

って、言っていいですよ(笑)


みなさんもややこしくて面白い話があったら教えて下さい


では、本年もお世話になりました

来年もよろしくお願いいたします!


いいなと思ったら応援しよう!