小じさん第七話「黒い小じさん」
気がついたらいつもの天井があった。僕の部屋の天井。僕は仰向けになっているらしい。背中の感触は布団のものだ。長年使っていてすでに弾力が失われた硬い布団。状況はわかった。僕は今まで寝ていて、たった今目を覚ましたということだ。今何時だ。ていうか、何曜日だ。頭が朦朧としている。寝る前の記憶がない。
カーテンが引かれた窓からは微かな光が漏れていた。寝ぼけた頭では、それが昇りつつある朝日の光なのか、月明かりなのか判断がつかなかった。
首をひねって壁の掛け時計を見る。光の加減で針の位