芸術の秋は続くよ原田マハさんの作品を3つ続けて読んだ
本日は、晴天なり。図書館から借りた原田マハさんの3作品を読み終えたのでメモをする。
ひとつめ『楽園のカンヴァス』
『楽園のカンヴァス/原田マハ/分類913』
ふたりのキュレーターが「夢」と「夢をみた」をめぐって勝負する。私の頭の中の部屋はルソーの絵が飾られ、その勝負を観ているようだった。ルソーの「夢」に最後の女神が生き続けているのだ。それが心に染み入り泣けてきた。
ピカソに言われ、ヤドヴィガが絵を眺め続け芸術について思いにふけるようになっていく。何かを感じる新しさが認知されるのには時間がかかる。運なのか、めぐり合わせなのか、才能だけじゃない何か。
ふたつめ『暗幕のゲルニカ』
『暗幕のゲルニカ/原田マハ/分類913』
ピカソと女神、ピカソは生涯モテモテなのだな。戦争とピカソ、ピカソもまた戦争の愚かさを嘆き悲しみ巨大な絵画「ゲルニカ」にその思いを込めた。その愚かさと闘っていたのだ。
強いピカソ、そして女神(ミューズ)たちも強い。
みっつめ『たゆたえども沈まず』
『たゆたえども沈まず/原田マハ/分類913』
行く末をわかりながらもゴッホ兄弟の物語に何度も泣いた。独特な強い絵筆の痕跡は「たゆたえども沈まず」そのものなのだと感じた。日本美術を芸術の都パリで売り込む画商の林忠正の人物像も興味深かった。
兄フィンセントが弟テオに送る手紙の言葉にふたりが共に生きていく希望が見えたと思ったのに、、、。
もっと読んでいたい
どれもウルウルと涙がこぼれた。芸術家の生涯、切なさが悲しくて痛い。けれど幸せも見えた。完成された絵はたどり着こうとする旅のようなものなのだ。物語で感じるそれぞれの絵筆の感触がすごくリアルだった。
本物を見たこともないのに私の脳内はドラマチックに絵画が並んでいる。
原田マハさんの描く物語、もっと読んでいたい気分。
「この作品は史実をもとにしたフィクションです。架空の人物に特定のモデルは存在しません。」とある。だとしても、心の中で生きている。
今日は休日、ひんやりとした空気、ぽかぽかな太陽、青空くっきり。
ルソー、ピカソ、ゴッホ、彼らが描く青空の色彩と絵筆のタッチを想像してみよう。
ではでは