Q. めまいと耳鳴りはストレスのせい?
A. 小麦の食べ過ぎです
「朝起きたらめまいがして起きれません」
「耳鳴りが気になって眠れない」
「良性のめまいと言われ、お薬をずっと飲んでいる」
といったお困りごとをよく聞きます。
とある患者さんとのバイオレゾナンス医学診療の一コマです。
患者「先生、最近めまいと耳鳴りが続いていて・・・」
私「耳鼻科には行ったんですか?」
患者「はい、メニエールって言われました。薬を飲むと少しは調子いいんですが、完全には良くならないです」
私「そうですか、耳鳴りは右と左どっちですか?」
患者「左です」
私「じゃあ、まずは小麦をやめてみましょう」
患者「えっ、小麦ですか。でも、パンはあんまり食べてませんよ」
私「パン、麺、揚げ物の3点セットです」
患者「あ~麺類はよく食べてます・・・」
私「じゃあ麺類をまずはやめてみましょう」
患者「・・・最近仕事のストレスも感じやすいのですが、ストレスでめまいが起きるってこともありますか?」
私「ありますけど、ストレスを感じやすくなっている理由も小麦の食べ過ぎです」
患者「・・・そうなんですね(苦笑)」
私「はい、なので、まずはその悪循環から抜け出しましょう」
患者「わかりました」
私「じゃあ、めまいと耳鳴りの漢方薬も処方しておきますね」
患者「これを飲めば耳鳴り治りますか?」
私「小麦をやめない限りは治らないと思います」
患者「・・・そうなんですね(苦笑)」
私「漢方薬を効かせるコツも、小麦を控えることなんですよ」
患者「気をつけてみます」
私「は~い、じゃあお大事に~」
原因不明のめまいや耳鳴り(特に左)でお悩みの方は、まず小麦類を減らしてみましょう。
小麦グルテンが腸に炎症を起こし、腸壁のバリアが破壊されると、腸から血液やリンパ液中にグルテンやそのほかの毒素が漏れ出し、左耳(内耳)に蓄積するとめまいや耳鳴りを起こすと推定されます。
「腸漏れ」とか「リーキーガット」とかって「トンデモ医療」がよく言ってるやつじゃないの? と思ったそこのあなた。
「免疫学」の分野でトップのインパクトファクター(108.55)をもつNature Reviews Immunologyという超一流の基礎医学雑誌に、腸や皮膚の上皮バリア破壊が慢性病の発症に関係しているという科学的な研究結果や見解が述べられています。
これをみても「リーキーガットはトンデモ医療」だと思う方は、スイスのセジミ・アクディス博士に怒られますよ(会ったことないけど)。
上皮バリア仮説は、アレルギーや自己免疫、その他の慢性疾患の増加を説明するものなのでしょうか?
著者:セジミ・アクディス
スイスアレルギー喘息研究所(SIAF)、チューリッヒ大学、ダボス、スイス
【要約】
アレルギー性疾患や自己免疫疾患は急増しており、現在では全世界で10億人以上が罹患していると言われるほど流行している。これらの疾患は先進国で多くみられ、発展途上国では都市化や工業化と並行してその有病率が上昇し続けています。皮膚や粘膜のバリアは、感染症、環境毒素、汚染物質、アレルゲンから宿主組織を守るため、組織の恒常性を維持するために極めて重要です。上皮バリアの欠陥は、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、慢性鼻副鼻腔炎、好酸球性食道炎、セリアック病、炎症性腸疾患などのアレルギー性疾患や自己免疫疾患で実証されています。さらに、腸上皮の漏出は、糖尿病、肥満、多発性硬化症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎などの全身性の自己免疫疾患や代謝疾患にも関与していることが分かっています。最後に、アルツハイマー病、パーキンソン病、慢性うつ病、自閉症スペクトラム障害では、「リーキーガット」とマイクロバイオームの変化による遠隔炎症反応が疑われています。本稿では、工業化、都市化、現代生活に伴う上皮バリア損傷物質の増加が、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、その他の慢性疾患の増加の背景にあるとする、拡張「上皮バリア仮説」を紹介する。さらに、損傷したバリアーを通過する異生物の微生物叢に対する免疫応答が、これらの疾患の発症にどのように関与しているかを論じています。
まあ、難しい話なんかはほんとはどうでもいいんです。
食事・生活改善で患者さんが良くなるんだったら、それでいいじゃないですか。
普段からストレスを感じやすい方も、小麦類を減らしてみると脳の炎症による慢性疲労やうつ気分が軽くなることもありますよ。
体調不良をストレスのせいだけにしてしまうと、打つ手がなくなってしまいますが、食生活の改善をおこなうことで、軽くなったり治ったりする症状が必ずあります。
ついヒートアップして長くなってしまいましたが・・・
さぁ、小麦を減らしましょう!
~オンライン講座もやってるよ~