密やかな祝宴(熟成したイヤホンに想ふ)
いつものように、1曲リピートで音楽を聴きながらnoteを書いていた。
あれ、何かこの曲、昨日までと違って聞こえる。
もう1つ、別の曲…やっぱり違う!
おぉ、これか、この事か!
シャンパンの栓がぽん、と抜けるような、合点。
今年購入した、こちらのイヤホン。
決して安い買い物ではないので、購入前に他のサイトや同価格帯製品のレビューを読みまくり、検討を重ねた。
その際、どうにも意味が分からなかったのが、
エイジングすると、さらに音が良くなります
というようなレビュー。
エイジング…熟成ってこと?!
知っている熟成と言えば、ワインや醤油、ビールやお肉など食品ばかり。
イヤホンでエイジングとは、これ如何に。
そう思ったが、あえてそれ以上調べることはしなかった。
耳で判ることを、眼で調べるのはナンセンスだと思ったから。
ただ何となく「熟成が進みそう」という”イメージ”で、WOODシリーズという木を使ったものにしてみた。一般的な金属使用のものに比べて重いらしいという情報も得たが、それでも木目のヘッドには何とも言えない魅力を感じた。
リケーブル可能(Detachable cable)で、一番傷みやすいケーブル部分を交換出来る、というのも大きなポイント。当初もう少し低価格のラインで考えていたのだが、この機能を知って即変更してしまった。
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ほどなく届いたイヤホンは、ボックス裏に幾つもの部品の構成図が。
そのいかにも「ジャパンメイドのメカ」な貌つき、「日本のお家芸」な雰囲気に、開封前から心躍らずにはいられなかった。
※こちらの画像はAmazon掲載のもの。実際のボックス裏画像は白黒
実際に聴いてみると、特にハイレゾ音源の曲ははっきりと違いが分かった。
ひとつひとつの楽器が「そこで鳴っている」感がくっきり際立つ感じ。
ある曲に至っては、バランスが全く違って聴こえて「この曲、本来はこういう曲だったの!」という驚きをもたらしてくれたりもした。
そして、購入して約1ヶ月。
鮮明にやってきた「その時」を、忘れないように慌ててネタ帖に書き留めたのが冒頭の部分だ。
***
すぐそこに覗き込めばあるものを、あえて視ることなく眼を伏せる
そして耳を澄まし、ゆったりとその瞬間を待つ
それは、若い頃には出来なかったことだ
しあわせの為に、
見えていても視なくてよいものや
聞えてきても聴かなくてよいことがあることを
識らなかったのだ
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重ねられた時間 重ねられた部品(パーツ) そこに連なる想い
気付けばここにある、積み重ねられた愛おしいものたち
すべてが音色となって燦めき、鳴り響く
流れ込んだその先で、それはいつしか祝福の鐘の音となる
年の瀬に独り静かにシャンパングラスを掲げ、― 乾杯
実際の使用感などは、「使ってみた」にて(^^)/
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