発達障害ASD、街中でパニックが加速。その体験記。
年内最後の精神科病院受診日の帰り。
私、発達障害ASDは、主要駅まで戻って、遅めの昼食を取ろうとしていた。
某飲食チェーンAにするかBにするか悩んで、Bにした。
遅めの時間だったので、席は空いていた。
どうせなら、端っこが好きな私、そこを確保して食事を開始した。
端っこだけど、どうも心が落ち着かない。嫌な予感はその通りだった。
何が起こったのか。後述するのでお待ちあれ。
タイトル通り、パニック=混乱状態に陥ったわけで、整理して書き上げたい。
1. 普段の体調がパニックを起こすかどうかのベースとなる
パニックになりやすい状態があるのか?と聞かれたら、私なら「ある。」と答える。
それは、普段の体調管理がうまくいっていないとき。
振り返ってみればパニックを起こす前の近況は↑こんな感じで、いわば「お疲れ状態」だったと気がつく。
「お疲れ状態」のときって、些細なことに敏感になってよくイライラする。
これが爆発するかしないか、の違いは、自分が大人な対応を取れるかどうか、もっと言えば「感性<理性」を維持できるかどうかにかかっている。
受診日の帰りのイートインでは「感性<理性」を維持できなかった。
少なくとも維持できる状態で日々を過ごすのが基本中の基本でもっとも大切なこと、と押さえておきたい。
そういう点で、この日(その周辺の日もか)の反省点はある。
けれど、反省すべき点はこの他にもあった。
2. 可視化が得意なASDが携帯するものは必携!
誰だって動揺する瞬間はあるだろう。
ある人は深呼吸するかもしれないし、別の人は好きな音楽を聴くかもしれない。
そう、重要なのは、動揺したらどう対処するか、ということ。
私の対処法は、対処法を列挙してまとめてある紙を眺めることだ。今その場でできる対応策を選んだり、その過程で少し気持ちにゆとりが取れたりする。
にもかかわらず…!!!
その日、私はその紙を持ち歩いていなかった。
すごく焦った。
お守りがなーい!(可視化&ルーティンが得意な者にはショッキングなこと。)
この紙の正体は「クライシスプラン」だったり「WRAP(ラップ)」だったり(要は病院で作成したもの)、元気が出る言葉だったりお世話になった看護師さんの文字だったり…
全部A4のクリアファイルにまとめてあるのよ!!
事前に対応策を練ってあっても、そのときに効果発揮できなかったら、すごく残念。
実際そうだったし。
いつも、荷物パンパンなのに。
荷物が多い理由はそういうことです、カバンを変更したときは要注意!!という反省。
(あ、臨機応変さも焦っているときは発揮しにくいのもポイントです)
3. パニックの原因把握は今後の対策につながる(あのとき、私に何が起きたか)
さてさて、本題。
パニックを起こしたときの記憶って、あやふやなんです。
だから、数日経った今ならいけそう〜っていうタイミングで整理しておくのは◎だと思うんです。
話は冒頭に戻って。
某飲食チェーン店の端っこで昼食をとり始めた私。
隣の席には女の子1人と男の子2人の幼なじみ的な若者がいた。
女の子の機嫌が悪くなったのは私が食事を始めてすぐのことだった。
この時は、私、ただふうん。と耳に入る程度で食事ができていた。
問題はここからだった。
私が決定的に「もう無理!」(=感性>理性)になったのは、男の子Bが頭を抱え込み始めたとき。
“ダメ。ここにいてはダメ。”感性からの指令だった。
残りわずかとなった食事を一応済ませ、駅直結の商業ビルに入った。
当てもなく、100均をぶらついた。
店内の音楽がうるさかった。
椅子が空いていたので移動すると、そばの音声「エスカレーターにお乗りの際は手すりに捕まり〜♪」がエンドレスにしゃべり、まだカーッとした状態が続いていた。
ちなみに、この状態を私は「静かなパニック」と呼んでいる。
だって、周りの人から見たら、ただ歩いているだけ、座っているだけで、問題行動は外見上は起きていないからだ。
そして振り返るに、私がなぜ「静かなパニック」になった直接的な原因は、隣の席の女の子だった、とわかる。
明らかに(私でさえも)何かあったことは丸見えなのに、「何もない」ってセリフ、私には男子に甘えてるなぁって感じ取れて、
同時に甘えてんじゃねえよ!とかそのセリフズルい!とか思った。
(けどそのときは把握しきれていなかった)
「静かなパニック」状態のときって、かろうじて理性が垣間見えることがある。
理性で相談した結果、私はうるさいエスカレーターの音声から離れるべく、決めた。
“よし、交番に寄って、電車に乗って、帰ろう。”
実際、そうした。
交番ではお巡りさんに「短時間で去りますから」と宣言したとおり、気持ちを立て直し、駅の開札を通り、ホームに立った。
そしたら、波が急に来た。“やばい、このままだと叫んじゃう、どうしよう”
本気で混乱し出した。この状態を区別すべく「目に見えるパニック」と呼ぶことにする。
だって、本当に叫んでたら、みんな(一応)振り向くでしょ?で、「どうしましたか?」と声をかける派の人と、見て見ぬふりをする派の人に分かれるんでしょ?
まだこのときは叫んでいなかった。
でも、
・早く帰らなくちゃ
・夕方だ、人が、電車が増えてきた
・ダメだ、焦りが止まらない=もうダメだ
こんな感じ↑で、頭の中ごちゃごちゃになっていた。
スマホで病院のダイヤルを押し、電車の音でかき消されながら「もう嫌ー!」と何回も言った。
商業ビルの人気のないところに自然と逃げ込み、段々と奇声が上がるようになってしまった。
もちろん、こんな状態では「大丈夫ですか?」とか「どうされましたか?」と声をかけていただいているにもかかわらず、日本語を話す力を失ってしまっていた。
どんな結末になったかというと、自分で救急車を呼んで、搬送してもらい、入院(1泊)。
電話を切らずに相手をしてくれていた病院の看護師さんと主治医の提案からだった。
搬送先は、通院している病院、日勤のはずなのに仕事を切り上げず待っていてくれた看護師さんたちには感謝しかなく、頭が上がらない。
救急隊員の方たちも冷静に対応してくださったおかげで、奇声は止んだ。ありがとう。
4. あなたがもしこんな感じの場面に遭遇したら
もし、もしも、、、
固まっていたり、座り込んでいたり、奇声を上げていたりして、不快な思いをさせられているけどこの人困っているんじゃね?
という場面に出会したら、のお願いを書かせてください。
1. ヘルプマークを付けていませんか?
→「はい」のとき、もしかしたらお願いしたい対処法がシールで貼られているかもしれません。読んで、対処法をお手伝いしていただけたら嬉しいです。
2.静かな空間を可能な範囲で確保していただきたいです
→ちょっとの差で違ってくると思います。パーソナルスペースを広げるだけでも。
3.どうしたらいいのかわからないときは抱え込む必要はありません。
→今回私は交番の警官の方や救急隊員の方にお世話になりました。安易な利用はよくありませんが、協力機関はあることを認識していただけたらなと思いました。
勝手気ままにお願いまで書いてしまいましたが、書いて整理するのは振り返りに大きく貢献しています。この場をお借りしてお礼申し上げます。
今回は、発達障害ASDの中の一事件に過ぎません。その方その方に応じた接し方を考えていくのが理想ではあります。ですが、とっかかりとして何か参考になればと思い、発信します。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。