公務員を辞めた。 ハラスメントと精神不調による退職。 公務員を目指したきっかけは消去法だった。 社会の役に立ちたいとか、国や市の運営に携わりたいだとか、そんなことを考えたことはない。当時の私には、自分が自分を嫌いにならないために働くことが必要で、民間だと利潤を求めてガツガツしてるんかなあ、じゃあ公務員でいいか、という何とも思慮の浅い動機だった。 でも試験勉強は頑張った。公務員試験は10科目を超える分野の問題に加え、小論文、面接を乗り越えなくてはならないので、準備がとても大
人と人は本当には分かり合えない。わかったふりとわかってもらったふりで生きている。でも、だからこそ、尊重が、相手を尊重することが大事だと そう思う。
戸惑いながら発された問いにどう答えたものかと考えているのか、少し長い沈黙の後、どこか独り言ちるように話し始めた。 「―――むしろ、思ったことはないんでしょうか。どこにいても間違いのような、自分が消えなくてはいけないような感覚。――どうしてと思われるかもしれませんが、もう当たり前に備わっている、自分の核の近くにある理念みたいなものなんです。僕たちが当たり前に呼吸をするのと同じくらい。とりとめのない考え事の隙間、帰り道に空を見上げた瞬間、ひと段落の深呼吸と一緒に、ときにちょっと
写真の整理をした。 スマホの容量がないよと言われ続けて数か月、やっと写真をpcに移して、移しっぱなしだった写真を整理する。主な作業は、昔の自分が撮った痛々しい自撮りの削除だ。できうる限りカメラを手前に傾けて撮った上目遣いの滑稽なピン写真を、心を無にして削除していく。それと同時にもう必要ないものやブレた写真も片づける。 その無心の作業で荒れていく心をなだめてくれるのは、フォルダに残った思い出の数々である。友人と行った大阪や横浜、母と行った温泉旅行など、数は少ないけれど大切
死に時を探して息をしている。 死ぬ理由とかタイミングってのは、自分にとって足るものであればよくて、それが偶然他人にとって足るものであればなおよい。 だけどそれなりにやりたいこととか楽しいこともあって、そんなに死の方向ばっかりを向いて生きているわけでもない。 そういえば昔から、他人になぜだか「儚い」と形容されることが多々あって、そんなはずはないと苦笑してしまうし気恥ずかしいけれど、あまりに定期的にいろんな人から言われるものだから、本当に不思議だけどそうなのかもしれない(それか
自分の中身全部がかっこ悪いことを心底理解しよう。そうしないとスタートできない。かっこ悪いけど、でもそれでも何かを紡ぎたくて息をしている。
年越しを外で過ごしたことにかまけてひきこもること数日。 2020年はじめてのお出かけは横浜。 横浜は去年の夏に散策したのだけれど、その時は私がひどい風邪をひいていて思い出が咳しかない。のでリベンジ。 イルミネーションが見たいというなんともかわいらしい要望のもと(提案は友人だ、かわいい)、横浜デート。 ふたりとも関東圏に住んでいるものの、神奈川までは距離があるのでちょっとした遠出に気分が上がる。 こちとらほぼ4日ぶり&新年はじめてのお出かけなのではしゃぎ倒す。お年玉も使える
空は好き。 いつから好きだったのか、もう思い出せないけれど、高校受験期には毎日のようにベランダで朝焼けを見てから眠っていた。マンションの6階で見る朝焼けがいっとう好きで、でもその頃は死にたくてたまらなかったから、いい朝焼けを見ると『今ここから飛び降りて死ねたら幸せだろうな』って思ってた。 昔の話はさておき。 空が好き。 出不精の私は人混みが苦手だし、冬休みに外に出ることなんてほとんどないけれど、今回は友人に誘ってもらえて、生まれて初めて外での年越しと日の出チャレンジをし