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玉響
2020年10月17日 23:46
「私、金木犀の香りって嗅いだことないや。」何気なく言ったら、友人がビビり倒した。「24年生きてきて、金木犀の香りを知らないの!?」その剣幕に私の方こそビビった。彼女の手には、期間限定のパフューム、「キンモクセイ」が握られていた。大人気で、発売と同時にすぐ完売した香りなんだそうだ。ほら、と、お気に入りの香水をシュッと空気に吹きかけて、私に香らせてくれる。「わぁ、甘〜い」彼女はやれやれ、
2020年9月1日 19:48
休日、私は地下のスターバックスで、アイスのスターバックスラテを飲んでいた。そこで、唐突に死の恐怖に襲われた。その時、私はairpodsでビルボードチャートを聴きながら、よくありがちな自己啓発本を読んでいた。「残された人生をどのように生きるか」みたいな話が長々と書かれていて、なんだかどうでも良くなって、ふと周りを見た瞬間、その恐怖がやって来た。残された人生で何をすべきか?でもいつか死んでしま
2020年7月20日 23:04
私が片想いをしている相手は、直属の上司で、既婚で、子持ちだ。想うだけなら自由だし合法だが、叶えることはできない。実際のところ、ハナからそのことはわかり切っていたが、職場上離れることもできず、理性的に生きて(いや理性的にって何?)はや半年…。
2020年8月3日 21:33
4日前、アンティークピンクの薔薇を、いつものスーパーの片隅で見つけた。色もはっとするくらい美しかったが特に素晴らしかったのはその香りだ。あまりに甘くてくらっとしてしまう香りだった。私は一瞬で心を奪われて、二束、衝動買いをした。 今朝、その香りはもうしなかった。暑さからか色もくすんで、しなっと萎んでいた。私は冷たい水を差しながら、もう生花は買わないだろうと思った。せめてあの香りの香水があればいい