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あとはよしなに「平仄」やら「てにをは」をちゃちゃっと整えておいて的な

仄暗い水の底からという小説がありまして。

リングらせんループの3部作(+バースデイで4部作とも)で有名な鈴木光司さんの作品です。

3部作は読んだのですが、仄暗い水の底からは読んだかどうだか怪しい。ただ、買いはしたんですよね。1990年代中盤です。当時SFホラー的なものが流行っていてですね、十三番目の人格 貴志祐介さんであったり、パラサイトイヴ 瀬名秀明さんであったりね、好んで読んでいたんですよ。その勢いでとりあえず仄暗い水の底からも買っとけ、みたいな。

なんか漢字からして怖い。
「仄」との出会いは「仄暗い水の底から」でした。

冒頭の話いる?ってくらいトピックス異なるんですけども。

Web制作の仕事でテキストを書いたりなんだったりしていると、よくこういう言葉が飛び交うんですよ。

・内容OKだからあとはいい感じに「てにをは」整えといて
・よしなに「てにをは」ちゃちゃっとやっといて
・あのクライアントのコピー「てにをは」ぐちゃぐちゃやし、気を効かせて直したら直したで赤入れられまくって大変だったよ

みたいな。

「てにをはを整える」のちょっと格好つけたバージョンが「平仄を整える」である、といったところでしょうか。

「てにをは」ってなんやねん。
「よしなに」ってもっとなんやねん。

Web制作の現場において日本全国津々浦々、仄暗い心の底から、そういう若手の声が犇めいております。「よしなにー」じゃないよ!!って。

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てにをは
日本語の主要な助詞。転じて、言葉遣いや文章能力を指すこともある。文章の整合性や話のつじつまが合わないことを「てにをはが合わない」などという。
https://www.weblio.jp/content/%E3%81%A6%E3%81%AB%E3%82%92%E3%81%AF
平仄
漢詩の発声で、平声と仄声を意味する言葉。現在では、つじつまや条理を意味する。つじつまを合わせるという意味で「平仄を合わせる」という表現がある。
https://www.weblio.jp/content/%E5%B9%B3%E4%BB%84
よしなに
よい塩梅になるように、よい状況になるようにという意味の副詞である。よしなにの英語表現は、適切にの意味を持つ properly や、好適にの意味を持つ suitably などが挙げられる。
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%88%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%AB

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「あとはよしなにやっといてー」
「あとはよしなにやっときますんで」

この「よしなに」って色んな含蓄あって面白いですよね。

「よしなに」
↓↓↓↓↓
「またおいしい案件くださいね。納期短いし予算もないし、でも成果物は作らないとならないし…。今回は追加予算もなしに単に制作者の努力という名の徹夜&契約回りやら承認周りはぶっ飛ばして、後からどうにか謝るなりなんなりしながら、とにかく形にしますから。」

みたいな。

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リングと言えば、貞子がTVから出てきてじゃじゃじゃじゃーん!!怖しむー!!!的な話で「アトラクション:きっと来る… 貞子 ~呪い占いの館~」やら、スピンオフでの映画やら、「洋画:ザ・リング」やら、エンタメ全開ホラー作品として有名なんですけども、これね、小説ではホラーとしての楽しさは勿論、それに輪をかけて、さらに輪をかけて、球にでもした感じで立体的にSFとして心酔できる作品なのですよね。

ホラーの色物として取り扱われるのがちょっと残念なくらいSF的に面白い。読んだことある人ならば、二万回くらいうなずいてくれると思います。まあ、そんな思いを足蹴にするくらい作品が走り出して駆け巡っているので、古参厨、懐古厨はあっちにいけ、といったところではありましょうが。

リングはねー、とにかく小説が面白いんですよ。是非読んで二万回うなずいて欲しいです。


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玉坂
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