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【僕らの唄が何処かで】

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2020年8月の記事一覧

長篇【僕らの唄が何処かで】③ 西野七瀬

夜風と共に————— 高山一実は、大人のような聡明さと反抗期の子供を双璧にしているような…

Aene
4年前
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長篇【僕らの唄が何処かで】④ 西野七瀬

【夏の日、祭と僕と七瀬と】 そういえばこの夏は心境だけでなく、生活の環境も少し変わった。…

Aene
4年前
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長篇【僕らの唄が何処かで】⑤ 西野七瀬

今日の天気予報では曇のち雨。不運にも神頼みが必要な賭けをしたくなるほど邪魔をしそうな天気…

Aene
4年前
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長篇【僕らの唄が何処かで】⑥ 西野七瀬

【秋の日、余韻が絶つ風】 こんなにも秋の入り口を寒いと思った事は、17年間で初めてだった。…

Aene
4年前
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長篇【僕らの唄が何処かで】⑦ 西野七瀬

特別を経験すると、多岐に渡る違和感が強く残る。 京都はまさにその”特別”を普段に作り替え…

Aene
4年前

長篇【僕らの唄が何処かで】⑧ 西野七瀬

空には巻積雲が靡いている。 それだけこの世界は、結局秋も忘れてはいない。 何回経っても、…

Aene
4年前
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長篇【僕らの唄が何処かで】⑨ -last-西野七瀬

【冬の日から春の手前へ、哀惜はこの胸に】 「………好きです、付き合ってください」 冬も意外と好きみたいだ。厚着を重ねて格好を楽しめる。二人でいる時には自然と手も絡み合っていく。 一実のマフラーで埋めた頬を僕は赤子を大事にするように撫でていく。寒さに展開された人生の一瞬に有難いと思う日が来るとは、引っ越し前の僕は想像も出来なかったであろう。 典型的な告白の妙など、友達から借りた映画で見たやり方しか知らない。僕はそれを見習って、一実を呼び出して告白をする。 少しロマンチ