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怖いと思っている間は戦える!


 今回は、みなさんがいつも抱えているであろう、不安について考えていきたいと思います。

1.不安と恐怖って?

 みなさん、不安と恐怖の違いって分かりますか?

「将来が不安です」
「どうなるか分からないから不安です」
「なんか分からないけど不安なんです」
「閉所恐怖です」
「高所恐怖です」
「乗り物が怖いです」

 こういった使い方をしているのではないでしょうか?怖いを使うとき、不安だと思っているとき、明らかな違いがありそうです。

広辞苑での不安や恐怖を調べてみました。

不安・・・安心できないこと、気がかりなさま、心配
恐怖・・・おそれること

 不安は心配のように、漠然としていますね。一方で、恐怖は何か対象がありそうです。

2.対象があるか、ないか

では、不安と恐怖の違いは何でしょうか。

 不安は、精神医学的には「対象のない恐れの感情」、恐怖は「対象がある場合の恐れの感情」に用います。

 上記の例では、不安は将来や、どうなるか、何となく、など、対象が曖昧です。一方で、恐怖は閉所、高所、乗り物など、明確に怖いという対象が存在しています。したがって、不安は漠然としたものに対して抱く感情、恐怖は明確に対象があるものに対して抱く感情ということです。

 このように、対象があるもの、対象がないものという風に考えてみると、不安な時の身体の変化も説明がつきます。

 不安は身体症状を伴うときがあります。「ドキドキ」したり、「息切れ」があったり、「冷や汗」が出たり、と。

 この身体症状は、人間の本来持っている危険から身を護るための生理現象で、突然の危機からすぐに逃げることが出来るように、身体が戦闘態勢になっているのです。この戦闘態勢からノーマルな状態に戻す方法は別の回で紹介します。言いたいこととして、不安になると、身体が変化することはとても自然なことなのです。

 しかし、現代社会では、様々なストレスにさらされているため、常に戦闘態勢です。何か分からないけど不安な状態が続いていて、ドキドキしたり、息切れが起きてしまっているのです。

 例えば、乗り物に怖いと思っていたら、その恐怖に対処しようといろいろと策を練ります。しかし、何か分からないものに不安を感じているときは対処のしようがないので、何か分からないけどドキドキして何もできない。そのうち、そのドキドキが恐怖となって活動が出来なくなってくるのです。

3.対象が分かると対処しやすい

 このように不安に伴うしんどさが、本来恐怖として考えていたものとは離れていき、不安のしんどさに対して恐怖を感じるようになっていきます。悪循環ですね。

 前述しましたが、閉所が怖いと思っていたら、閉所に行かない、閉所に入るときは安心できるもの・人と一緒に入る、など、恐怖に対しては対処することが出来ます。

 今回言いたかったことは、不安だと思っていることを、出来るだけ、恐怖に変える、対処できるような形にする、ということです。

 別の回では、漠然とした不安に対してどうするか、を考えていきたいと思います。

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