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【新店舗開業記】カフェレストランと物販"MYTONE"の複合店舗に挑戦します!
こんにちは。井澤卓です。
株式会社and Supplyという会社で、飲食店やインテリアブランドの運営を通して、空間づくりの仕事をしています。
noteでは、僕達が運営する店舗やブランドについて書いています。
現在、飲食店4店舗と、ホームグッズブランドを展開している我々and Supply。新たな挑戦として5店舗の出店が決定し、現在準備を進めています。
今回は、会社の柱である飲食業とブランドを組み合わせた複合店舗です。出店の背景と、構想について書いていきます。
出店の背景
複数店舗を運営している我々ですが、これまでは「会社を大きくするよりも、その時やりたいことをやる」ことを重きにおいて事業運営をしてきたので、出店数を指標にしたことはありませんでした。
正直、これまでの出店のきっかけは、「良さそうな物件に出会ったから」という理由が多いです。メインストリームではない場所にあり、癖があり、面白い物件を見ると、「この物件を輝かせられるのは自分達しかいない!」と思って止まらなくなってしまいます。今回もまさにこのパターンでした。
※余談:出店場所とマーケティングの考え方
僕らが出店している場所は東京の一等地でも裏通りにあるため家賃が安く、坪単価は全物件2万円以下です。家賃は安いですが、普通に歩いていて目に触れる場所に無いので、集客難易度は非常に高いのは難点。
飲食店は立地が重要とよく聞くように、人通りが多い道で、店内が見える場所に出店するほうが絶対に良いです。歩いている人の目に触れないというのは、オフラインリーチが無いという意味で圧倒的に不利になります。
駅前の路面にあり、1日2,000人が通れば月に6万人にリーチができる。でも、裏通りの奥まった場所にあり、外から見えない得体の知れないお店は、この6万リーチが無いところで戦わなければならない。つまり、オンラインリーチを取り続けるしか無い。だから僕達は、InstagramやGoogle Mapsを最適化し、オンラインでの集客活動に力を入れています。というより、「力を入れざるを得ない」という状態ですね。
物件との出会い
物件との出会いはいつも通り不動産サイト。ふと不動産サイトを見ていたところ、代々木上原にやたら広いのに家賃が安い物件を発見。「この立地にこの広さと価格なのに、なんですぐ埋まらないんだろう。」と疑問に思い、なんとなく記憶に残っていました。(上原エリアの良い物件は一瞬で申し込みが殺到します。)
その後、ある日知り合いのカフェでコーヒーを飲んでいた時。
彼が、「良い物件を見つけたけど、自分は断念した」と言うので話を聞いていると、それがこの上原の物件でした。構造に癖があって難しいけど、エリアも周辺住民も良いとおすすめされたこともあり一度見に行ってみることに。
役員の倉嶋と一緒に内見に行ったのは真夏の7月半ば。
まず目を引かれたのは、物件の目の前に広がる上原小学校の緑の校庭。晴天の中、子供たちが運動する声が聞こえてとても良い雰囲気。まずこの立地に一目惚れしました。
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中に入ると、その難易度の高さに納得。
元診療所だったということもあり、空間が複数の部屋に仕切られていました。しかも、診療所を前提に設計された物件のため、壁が駆体となっており壊せない。つまり、この仕切りを前提に事業を考えなければいけないということでした。
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右下の部屋は窓が無く閉塞感が強い。聞くと、元々レントゲン室だったそうで、なかなか使い方が難しい。
代々木上原駅徒歩6分の好立地にも関わらず、35.1坪(116平米)の広さで家賃は60万円。坪単価17,142円と破格の物件なのに借り手が決まらないのは、この構造が原因だったようです。
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「この壁壊せたらなぁ。」
僕達も当初はそんな話をしていましたが、それが無理とわかってからは、「壁を活かしてできることはないか」と考えるように。その結果決まったのが、カフェと物販の複合店舗でした。これは捻り出したアイデアというよりも、会社全体の事業の行く先を考えた結果、自然と行き着いた次なる投資です。
3年半前にオープンした代々木公園のnephewは開業以来成長を続け、今では週7、朝8時〜深夜0時まで営業しています。一つの店舗としては空間稼働率もマックスになり売上の天井が見えるほど成長したため、新店舗を立ち上げるにふさわしいタイミングでした。
また、これまでオンライン販売を軸に展開していたホームグッズブランドのMYTONEでも、次なる成長の矢として実店舗の出店を考えていました。2万円を超えるような高単価アイテムは、やはり一度実物を見てから買いたいというニーズが多く、ショールームになる場所を作りたい。そんなそれぞれの事業タイミングが合致したことで、この2事業を合わせた複合店舗に行き着きました。
僕達and Supplyは、今でこそ各メンバーの責任領域が明確ですが、元々全員が全事業を兼務するという仕事の仕方をしていました。少なからずお互い常に関わり合っているので、飲食チームとブランドチームの結びつきも強い。飲食店もMYTONEもどちらも利用してくださっているお客様も非常に多いため、2つの主軸事業を組み合わせた新店舗は、社内外に新しい提供価値を増やせる機会になるとワクワクしています。
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今回の物件情報もまとめておきます。
立地:代々木上原駅徒歩6分
面積:35.1坪(116平米)
家賃:60万円
坪単価:¥17,142
新店舗の名前:sew / ソウ
そんな2事業が一つにまとまる新店舗の名前は、sew(ソウ)に決まりました。「縫う」という意味です。「全ての背景や要素が繋がる言葉にしたい」と探し続けてたどり着きました。
ネーミングの理由は3点。
・2つの事業を縫い合わせる場所であること。
・ファブリック製品を作る際、必ず最後に経る工程である「縫製」でMYTONEを表現していること。
・語尾のewのつづりが同じであることで、nephewの姉妹店であることを表現してること。(nephew / sew)
「聞いたことはあるけど聞き慣れない」という絶妙な単語で、自分達らしい店舗名になったと思います。
ロゴやキービジュアルは今まさに進行中です。
店舗の構造について
2つの事業が重なり合うということで、まず課題となるのが店内の構造。今回も内装設計は我々の既存全店舗を設計してきた土堤内が担当しています。
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ディスカッションを重ねて行き着いた構造がこちら。
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既存の駆体壁を利用して空間を区切り、上部がMYTONEの物販スペース、下部が飲食スペースに。更に、従業員向けのバックオフィスも作り、働きやすい仕様にしました。
前述の扱いが難しいレントゲン室は、物販とカフェ機材の倉庫としました。右下の広めのスペースです。
カフェの運営でも、こだわりを増やすほど倉庫スペースが必要になります。例えば既存店のnephewで使っているオリジナルカップ。これは最低ロットが1万個なので、広い保管スペースが必須。
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今は神泉の事務所に保管しているものの、かなりスペースを圧迫しているので、倉庫を別途借りようかと検討している段階でした。既存事業の課題を上手く解決できる使い方ができそうです。
余談ですが、このようにやることを増やすかどうかの意思決定は常に難しい経営判断です。
お客様の満足度を高めるために、お店で使う備品もなるべくオリジナルなものにこだわりたい。ただそうすると、今回のようにまた新しい課題も同時に生まれる。本来ならば、売上・利益を生まない倉庫に家賃を払いたくは無いので、これまで諦めてきたことも多々あります。今回この専用倉庫スペースを設けることで、既存店のnephew共に新しい提供価値を増やせるので楽しみです。
飲食業態:カフェレストラン
ここからはお店の業態について書いていきます。
これまで、バー、カフェ&ビストロバー、レストラン&バー、ワインバーという4店舗を展開してきた僕達and Supply。毎回、新規出店時には新しい業態にチャレンジしています。
今回は、「カフェレストラン」です。
イメージとして置いているのは、オーストラリアのカフェ業態。
オーストラリアのカフェでは、朝からフードメニューが充実していて、1日を通してしっかりと食事もコーヒーも楽しめる。
日本でも2000年頃始まったカフェブームの時代は、「カフェ飯」という言葉が認知されていたように、カフェと言えばオールデイダイニングのイメージでした。ここ最近では、コーヒーと焼き菓子で、食事はサンドイッチなど軽食程度というお店がカフェのトレンドですよね。
僕達の既存店nephewはまさにコーヒーと焼き菓子でスタートしましたが、1年前にモーニングを開始し、朝のみ食事を提供するスタイルに進化しています。モーニングが好調で食事メニューへのニーズが確認できたのと、キッチン業務をしっかりこなすチームの成長もあり、今回のお店ではオールデイで食事を提供するカフェレストランに挑戦することにしました。
もちろん焼き菓子もたっぷり提供します。今回は、飲食フロアにあるキッチンスペースに加え、製菓のための専用キッチンも作ります。MYTONEの物販スペースと隣り合う形で店舗の奥に配置されます。
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これにより、念願だった菓子製造業許可が取れるので、将来的には焼き菓子のオンライン販売なども検討できるようになりました。ここから新しい事業が始まっていくのが楽しみです。
焼き菓子は、現在nephewで商品開発を務める荒木が既に考案を進めています。nephew同様、バリエーション豊かなワクワクするお菓子をご用意するので、楽しみにしていてください!
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物販:MYTONE
飲食エリアを抜けた奥のスペースはMYTONEの物販エリア。7畳程の広さに全商品を展示する予定です。
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MYTONEはホームグッズブランドとして、家で過ごす時間をより豊かにするアイテムを展開しています。ファブリックを中心としていましたが、この一年でルームウェアやバスローブ、スリッパなど身にまとうアイテムも登場しました。
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以前よりも実物を見たいという声を多く聞くようになり、各所で開催するPOP UPにもたくさんのご来場をいただくことから、実店舗の出店を検討していました。
店頭はお客様の声を直接聞ける場としてとても重要。
オンラインのみで事業展開していると、お客様がどんな用途を想像して、どんな感情を満たすために商品を買ってくれたのかがなかなかわかりません。POP UPの店頭でお客様とお話をすることで、僕達も知らなかった新しい使い方や、購入前の悩みを知ることができ、お客様を理解する機会になっていました。
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お客様の正しい理解は、商品開発やマーケティングに非常に重要です。
これを加速させるため、sewではディレクターの藤井を始めMYTONEチームが総出で店頭に立ち、直接商品を届けたり、新たな商品開発の芽を掴む場にしていきます。
カフェレストランとMYTONEの複合店舗に共にチャレンジするスタッフ募集!
新店舗sewは2025年2月にオープンを予定しています。
今回もまた今までに無い新しいことに挑戦するので、不安と期待でワクワクしています。
業態が多くなると、その分働くスタッフの人数が多く必要に。
チーム構築は目下の課題です。
ということで、現在一緒に一緒に働いてくれる方々を募集しています!
以下が詳細の募集職種です。
■MYTONE
店頭販売スタッフ
詳細はこちら
■カフェレストラン
調理・焼き菓子製造・バリスタ
詳細はこちら (ページ最下部に詳細あり)
興味をお持ちいただける方は、是非それぞれのポジションの詳細をご確認ください。質問等は僕自身へDMいただいても構いませんので、お気軽にご連絡ください!
オープンに関しての詳細が決まればまた告知するので、Instagramをチェックしていただけると嬉しいです。