【十戒】(ネタバレなし)どうしても「方舟」と比べてしまう。
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆
以前読んだ「方舟」がかなり衝撃的なミステリ小説であった。その同シリーズとも言える本作は以前からずっと気になっていた作品である。
あらすじは、
リゾート開発計画の視察のために、とある無人島に来た9人の男女。
島には大量の爆弾があることが判明した後、とある殺人事件が起こる。犯人からは「犯人を見つけようとする者がいた場合、島を爆破する」というメッセージが。島に残された人々は、犯人を探すことを許されない地獄の三日間を過ごすことになる…。
というもの。
本作単体としてみれば、十分に面白いのだが、どうしても「方舟」と比較してしまう。
「方舟」は、不慮の事故から発生したシチュエーションなのに対して、本作は犯人の人為的な脅迫により追い詰められた形となっている。物語の緊迫感で言えば、断然「方舟」に軍配があがってしまう。ラストの衝撃も「方舟」の方が後を引く。
とはいえ、本作単体でも十分面白い。
ラスト10ページほどで覆される真相は「おお…」と唸ってしまうし、結末を知った上で2度読みすれば、物語が全く違って読める作り込みも素晴らしい。
一応本作はネタバレ厳禁の作品であるため、ネタバレは書かないようにしたが、本作は未読だが、この記事をここまで読んでいただいた方には、これだけはお伝えしたい。
(このことすらもネタバレになりかねないのでご注意いただきたいが…)
「方舟」を未読の方は先にそちらを読んでから本作を読むことをオススメする。