【中学の知識でオイラーの公式がわかる】うーむ、これではわからないと思う…。
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆
〜劣化版「オイラーの贈物」〜
タイトルを見て「マジで!?」と思った。
以前、「書評が書けなかった本たち」という記事で「オイラーの贈物」という本を読んで、「キチンと全部理解できなかった」という感想を書いたのだが、まさか、それよりももっと簡単にオイラー公式を解説するという本に出会えるとは思わなかった。しかも、「オイラーの贈物」よりもかなり薄いのである。
まぁ、薄い本であったため元旦1日で読んでしまったのだが、結論からいうと、「めっちゃ高校数学の知識使うし、この一冊でオイラーの公式を理解できるとは思えない」というのが感想である。
「オイラーの贈物」は、理解こそ出来なかったが、オイラーの公式の魅力を十分に感じた一冊だった。「オイラーの贈物」を読まなければ、数学に対するやる気も今ほど出てこなかっただろう。
本書には、そこまでオイラーの公式の魅力を伝える力は無かった。「オイラーの贈物」よりこれを先に読んでいたら、おそらくオイラーの公式に対して「理解したい」という気持ちは湧いてこなかっただろう。
〜有言不実行…?〜
さて、タイトルの「中学の知識でオイラーの公式がわかる」というのは、全く違うし、前書きに書いてあることにも疑問が湧く。
「数式を丸暗記するのではなく、理解すること」に重きを置いていると書いていながら、本文のほとんどは数式と図で埋められている。
おそらく、筆者が数学が0点だったという過去から、「数学が苦手な人に向けて書かれた本」であると思うのだが、僕はこれを読んで「そもそも数学嫌いの人が、これを読んでホントにスッキリできるのだろうか?」という疑問は否めない。
著者はYouTubeで数学講義の動画をあげているそうなのだが、どうやら、その動画を見ることを前提に書かれているようだ。
ちなみに僕は動画は見ていない。今回のこの本の評価はあくまで「本単体」での評価であることをお断りしておく。