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【ストーンサークルの殺人】満足度の高い傑作サスペンス
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆
〜連続焼死体殺人事件〜
本作はM・W・クレイヴンによるサスペンス小説で、英国推理作家協会賞のゴールド・ダガー賞を受賞した話題作である。2025年2月現在で5作品発表されているワシントン・ポーシリーズの第1作目だ。
物語は、ストーンサークルで発見される焼死体連続殺人が行われる中で、主人公・ワシントンポーが事件と繋がりをもつことが明らかになるところから始まる。
戦慄するような殺人の手口や動機を掘り下げていくサスペンスとしての重厚さはもちろんのこと、後述するキャラクターの魅力も際立つ。
かなり満足度の高い一作であった。
〜主人公・ポーとパートナー・ティリー〜
サスペンスとしての重厚さと緻密さもさることながら、この小説をさらに輝かせるのが物語の中心となる主人公・ポーとパートナー・ティリーの2人の存在だ。
主人公のポーは、型破りで組織に反抗的ながらも強い正義感を持つ刑事である。いわゆるハードボイルド刑事である。一方、パートナーのティリーは社会性には難にあるものの、天才的なデータ解析の技術を持つ分析官である。
この事件をきっかけに2人は出会うわけだが、この2人の関係性がすごく良い。
2人の掛け合いがユーモラスで物語に軽快さをもたらす。バディとも違う、親子のような兄妹のような不思議な関係性が、不穏な空気が漂う物語の中にひとときの温かみを与えてくれるのだ。
〜最高の読後感〜
最後の真相が明らかになるまでのスリリングな展開は緊張感を持続させる。その合間に挟まれる2人のエピソードが物語にリズムを与えて、最後まで読む手を飽きさせない。
導入から月末まで納得の面白さを持つ。
これはオススメである。