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【注文の多い料理店】宮沢賢治の名作3遍

これまでいくつか呼んでいるハルキ文庫の280円シリーズ。
今回は宮沢賢治の「注文の多い料理店」など3作品が収録された短編集である。

今回もこんな名作に僕なんかがオススメ度をつけるわけにはいかないので(笑)、各話の拙い感想だけ書いていくこととする。

〜注文の多い料理店〜

たしか、小学生の教科書に載ってたのだろうか?あらすじはもちろん知ってるのだけど、改めて大人になって読んでみると懐かしさがあって良いものだ。
昔は「なんでこの人たちはこんな怖い目に合わなければいけないんだろうか?」と、これをホラー小説だと思っていたけど、今になって読むと2人は道楽で狩猟をやる男たちで冒頭で動物の命を軽視する描写があることに気づく。
「喰う側だと思っていた者たちが喰われる側になってみっともなく恐怖してしまう」という皮肉めいた笑い話なのだ、と今さらながらに気づいたのであった。


〜セロ弾きのゴーシュ〜

タイトルだけ知っていて、実は読んだことがなかった作品。
セロを弾くのが下手で、仲間や楽長からも呆れられてやぶれかぶれになっているゴーシュ。
そんなゴーシュのもとに次々と動物たちが現れて、無茶なことを言ってゴーシュにセロを弾かせようとする。ゴーシュはイライラしながらも、動物たちの要望通りヤケクソになって演奏を続けているといつのまにか演奏が劇的に上手くなっていた、という話。
動物たちとのやりとりも可愛らしいし、最後のカッコウに謝るゴーシュがとても人間らしい。初めて読んだけど、とても好きな話になった。


〜風の又三郎〜

こちらもタイトルだけ知っていて読んだことはなかった作品。
風の神の子かもしれない三郎と過ごす子どもたちの心象風景を描いた一作。子どもたちのセリフの訛りが強くて、少し読みにくかった。そのためか、なんだか作業的に読み進めてしまった。
もう一度読むことは無いと思うけど、知識として読んでおいて良かった。

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