【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第八話 お母さんの秘密の小部屋
家に着いて電気を点けると、父ちゃんは相変わらず畳の部屋で布団を被っていた。さっきと体制がちょっと違っているし、布団は呼吸するようにわずかに動いていたから、六花は安心する。
冷蔵庫に行ったら、残りわずかだった食料がなくなっている。父ちゃんは大丈夫。六花はエコバッグに入っているコンビニの商品のことを思った。
そんなつもりじゃなかったけど、随分長いこと持ち歩いてしまった。傷んでいるかもしれない。冷蔵庫に入れるのは危険だ。
いまの父ちゃんは、腐ってるとか腐ってないとか、