どうすれば戦禍で犠牲となった文民の数を推計することができるのか
戦争の歴史で文民が軍人から区別され、法的保護の対象と位置付けられるようになったのは比較的最近のことです。初めて戦争における文民の地位を定義したのは1949年のジュネーヴ諸条約の一つを構成する文民保護条約であり、これには占領地で敵国の権力下にある文民、空爆など住民全体に対する攻撃に晒される文民、そして内戦の下にある文民を保護すべき対象として規定されています。それまでの法規制では、軍隊の関係者だけが保護の対象とされていたので、制度的に文民も保護の対象とできたことには大きな意義があ