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❓❕【哲探進歩/てったんしんぽ】❕❓…3歩目(身近な食物連鎖)

🐾3歩目(身近な食物連鎖)🐾
(「散歩」で気づきを得て、「探究+哲学」で考察を重ね、「進路」で学問・仕事と結びつける)

「散歩…気づきの土台・地面」
自分の家のドア付近にクモがいた。その姿は、いつも見かけるクモの姿と違って見えた。クモは蚊のような生き物を大事そうに抱えていた。私が近づいても、クモはその大切な獲物を離すことなく、前後左右に動く。

「探究<課題の設定>…気づきの芽」
自分の身の回りの生き物たちはどうやって生存しているのだろうか(❓)。

「探究<情報の収集>…(都合により非公開)」
その様子をもう少しよく観察したいと思った私は、家に入り空の容器を持ってきて、クモを保護させていただいた。保護されても、クモは獲物を離さない。相当大切なものなのだろう。スマホのカメラを固定して、クモの様子を観察することにした。クモは蚊をゆっくりゆっくり味わっていた。なかなか食事が終わらないので、食事が終わるまでスマホで撮影していたら、撮影時間が2時間を超えてしまった。ようやく食事が終わった。至福の時間を過ごしているクモには申し訳ないが、それまでは主役として演じてもらっていたクモには別の役割をお願いすることにした。私の家には現在、カエルが生活している。冬になり、なかなか自然界の獲物が見つかる機会は減っている。そのためカエルに用意されるメニューの種類も量も少なくなりがちで、カエルが食料を欲しているのは事実であろう。そうしてカエルの生活空間に解き放たれたクモ。最初、状況をまだ理解していなかったクモは自由に動き回っていたが、忍び寄るハンターの存在に気づき、突如として「逃走中」が始まった。ハンターは遠くの獲物も逃さない特殊能力を持っている。ハンターから放たれたピンク色のビームに捕らえられ、クモはカエルの体内へと導かれていった。普段とは違うメニューにありつけて、とても満足げなカエルの姿はまるで全世界の主役のようである。

★クモと蚊

★カエルとクモ

「哲学…(都合により非公開)」
最近カエルに提供されていた食料は、近所のペットショップで購入するコオロギばかりだったので、カエルとしては飽きがきていたと思う。人間だって、いつも同じメニューだと飽きがくるもの。人間もカエルも、同じ生き物である。贅沢は言っていられないという状況なら仕方がないが、選択肢があれば、違うメニューを食べたいはずである。このように同じような食べ物ばかりだと飽きがきてしまう状況を、「限界効用(満足度)の逓減」として分析したのは、ドイツの経済学者であるヘルマン・ハインリヒ・ゴッセンであり、これは「ゴッセンの第一法則」とも呼ばれている。

「探究<整理・分析>…(都合により非公開)」
クモは蚊を捕まえて食料としていた。食料といっても、人間のように大きな口を開けてそれを食べるわけではなく、蚊の栄養分を吸い取るようにしていた。カエルはコオロギやクモなどを捕まえて食料としていた。カエルの場合は、人間と同じように口の中に食料を取り込むが、長い舌を伸ばし、それにコオロギやクモなどをくっつけるようにしていた。人間は様々なものを食料としている。最近は昆虫食が注目されているので、昆虫ではないがクモも同じように食料にすることは可能である。またシンガポールでは、カエルがおかゆや炒め物の具に使われていて、普通に食料として扱われていた。人間の場合は、吸い取るわけでも、長い舌を伸ばすわけでもないが、料理方法を工夫することで様々なものを食料にしている。クモもカエルも人間も他の生き物を食べることで生存している。そして、ある場面では「捕食者」である生き物も、別の場面では「被食者」に変わるように生態系が出来上がっていることが分かる。

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「探究<まとめ・表現>…気づきの花」
生き物は他の生き物を栄養にすることで生存が可能となる。それが「食物連鎖」であり、生態系というものは栄養のバトンリレーによって成り立っている。今回の場合、蚊からクモ、クモからカエルという主役の交代があり、身近な食物連鎖を知ることができた。観察の中ではカエルが最終捕食者だったので、カエルはとても満足そうであった。しかし、その至福の時間を遮るように、大きな手がカエルに近づいていった。「君はあくまでも、私の手のひらの上で生活しているに過ぎないのだよ」。そのことを分かってもらおうとしたが、手のひらの上のカエルは果たして分かっているのだろうか。断っておくが、ここはシンガポールではないので、カエルから私へという食物連鎖の続きの予定はない。

★カエル1

★カエル2

「進路…気づきの果実」
今回の考察によって、生き物によって食べ方の違いはあるが他の生き物の栄養に支えられて生存していることが明らかになった。ここから、学問の一例として「生物学や環境学」など、仕事の一例として「動物園スタッフ・養蜂家・畜産農家」などが連想される。最近はSDGsの観点からも、飢餓の克服として昆虫食が脚光を浴びているのは事実であるし、食糧不足に対する画期的な対策として、昆虫食の研究は今後も進むと思われる。私は社会科の教員であるが、小さい頃から昆虫や生き物の観察が大好きだったので、この分野での仕事に対する憧れは今でも続いている。なお主要論点ではなかったが、「限界効用(満足度)の逓減」に注目すると、学問としては「経済学」、仕事としては「エコノミスト」を連想することもできる。

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