なぜ多くの球団はドラフト1位選手を先行公表するのか??
本日2022年10月20日はドラフト会議が行われました。
ドラフト会議では9球団がドラフト1位指名選手を先行公表したことでも話題にもなっています。
ドラフト1位指名選手を先行公表することは、他の球団に自分の手の内を明かすことになって一見不利なように思えます。
ここでは多くの球団がドラフト1位選手を先行公表する理由を考察してみたいと思います。
ドラフト会議1位指名のルール
まずはドラフト会議の1位指名に関するルールを確認していきます。
知ってるよという方は飛ばしてもらって大丈夫です。
・12球団がそれぞれ選手を1人同時に指名
・指名した選手が他の球団に指名されなければ無条件でその選手を獲得
・指名した選手が他の球団にも指名された場合、それぞれの球団がクジを引き、当たりを引いた球団がその選手を獲得
・ハズレを引いてしまった球団はどこの球団にも指名されていない選手を指名することができる。
・そこで指名した選手が更に他の球団にも指名されたた場合には、またクジを引き、当たりを引いた球団がその選手を獲得。
・以下12球団が全員指名し終わるまで続ける。
シンプルなシステムですね。
ドラフト会議を数学的に考えてみる
今回はドラフト会議の1位指名のシステムを数学的に考えてみます。
ドラフト会議1位指名のシステムを簡略化して4球団と4人の選手で行ったと仮定し、球団が各選手を獲得した際に得られるメリットを簡易的に数値化してみます。
・aさん 10点
・bさん 9点
・cさん 7点
・dさん 1点
そして、各球団の1位指名の先行公表を以下のようにします。
・A球団 aさん(10点)
・B球団 aさん(10点)
・C球団 bさん(9点)
・D球団 非公表
このときにD球団のとるべき選択はどうなるでしょうか?
D球団はaさん(10点)、bさん(9点)、cさん(7点)を指名する選択肢があります。
aさんを指名した場合
3球団でaさん(10点)の抽選をした後、残った2球団でcさん(7点)を取り合うので、その際の期待値を計算します。
10×1/3+(7×1/2+1×1/2)×2/3=6点
よってaさんを指名した場合は平均すると6点分のメリットが得られます。
bさんを指名した場合
2球団ででbさん(9点)の抽選をした後、aさんを指名できなかった球団とcさん(7点)を取り合うので、その際の期待値を計算します。
9×1/2+(7×1/2+1×1/2)=6.5点
よってbさんを指名した場合は平均すると6.5点分のメリットが得られます。
cさんを指名した場合
確実にcさん(7点)を獲得できます。
よってcさんを指名した場合は7点分のメリットが得られます。
以上により、D球団はcさんを指名することが最善の選択となります。
各球団の期待値を考えてみる
今度はD球団がcさんを指名した場合の各球団の期待値を考えてみます。
A球団、B球団
2球団でaさん(10点)を取り合い、クジで負けた方がdさん(1点)を獲得するので、その際の期待値を計算してみます。
10×1/2+1×1/2=5.5点
C球団
確実にBさん(9点)を獲得できるので
9点
よって後から選択できるD球団より事前公表したC球団の方が強い選手を獲得できてしまうのです。
もっとざっくりした説明
ざっくりした説明をすると事前公表をすると他の球団に対して「抽選になりたくなかったら、この選手を選ぶなよ!」と脅しをかけているのに近いです。
自爆特攻みたいなものなので、やられたら嫌ですね(笑)
まとめ
ドラフト会議の1位指名選手を先行公表するのは、より強い選手を確実に獲得するためだった!!
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