詩:世界を夢見ていた

世界を夢見ていた

ぼくたちは

映画監督になったり

脚本家になったり

プロデューサーになったり

俳優になったり

そして

世界へ飛び出すんだって

夢見ていた

あの日そう言って飲んだ安酒の味は忘れない

でも世界に出たのはごく僅かで

もしくは映画とは全然関係のない所から出ようとしている

皆安定を求めてしまった

あの時誰も安定なんて求めて酒を飲んでいなかったのにね

世界を夢見ていた

ぼくたちは

今どこにいるんだろう

世界の中のどこにいるんだろう

まさかあんなことになるとは思ってもいなかったヤツ

まさかくたばるとは思いもしていないヤツ

そんなことを知らずにぼくたちは

世界を夢見て

安酒を飲んで大騒ぎしている

今ぼくたちは

何を夢見ているのだろう？