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#創作大賞2023
『奇譚草紙』第1話「白熊」
白熊からわたしのスマホに連絡があったので、わたしはすぐ白熊のマンションへ行った。途中の道沿いにある一軒の家の庭に、白山吹が咲いていた。
白熊は、お客さんが来るまでにはまだ時間がある、ちょうどコーヒーを淹れたところだから先に飲もうと言って、二つのマグカップにたっぷりとブラック・コーヒーを注いでくれた。
わたしはにこにこと、猫の顔がプリントされたマグカップに唇をつける。白熊が淹れてくれるコ
白熊からわたしのスマホに連絡があったので、わたしはすぐ白熊のマンションへ行った。途中の道沿いにある一軒の家の庭に、白山吹が咲いていた。
白熊は、お客さんが来るまでにはまだ時間がある、ちょうどコーヒーを淹れたところだから先に飲もうと言って、二つのマグカップにたっぷりとブラック・コーヒーを注いでくれた。
わたしはにこにこと、猫の顔がプリントされたマグカップに唇をつける。白熊が淹れてくれるコ