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企業のnoteが10倍読まれるようになるいくつかのヒント

企業がnoteを活用するケースが増えてきました。

そこで今日は「企業のnoteをより多くの人に読んでもらうためにはどうすればいいのか?」について書いてみようと思います。

日々、企業や経営者の発信をサポートしている編集者の立場から、なにかヒントになるようなことをお伝えできればうれしいなと思っています。

キーワードは「コンテンツ化」です。

とにかく文章を書けばコンテンツになる、というわけではありません。文章をコンテンツにするためには ①役立つもの、もしくは ②心が動くもの にする必要があります。

ただの情報の羅列や文の連なりでは読者に振り向いてもらえません。「コンテンツ」にすることで、はじめて多くの人に届くようになるのです。

では、企業の発信をいかに「コンテンツ化」すればいいのか? そのことについてお話ししていきたいと思います。

会社の「ストーリー」を書く

まず、いちばんわかりやすいコンテンツは「社史」です。

どんな会社にも知られざる誕生秘話があったりします。ここまでどうやって会社が歩んできたのか? 会社の成り立ちを取材して書いていくと、唯一無二の立派なコンテンツになります。

社史を書くときに重要なのが、うまくいった話ばかり書くのではなくて、失敗談とか、大変だった日々のこともきちんと書くことです。

企業の発信となると、ついいいところばかり語りたくなってしまうのですが、読者が知りたいのは失敗した話、うまくいかなかった話のほうだったりします。そして、そこからどう立ち直ったのか? その苦境をどう打破してきたのか? そこを語るほうが魅力的です。

創業期の苦労だったり、赤字続きで大変だった時期の話は、いろんな人が共感できます。その会社が有名であろうと無名であろうと、みんなが乗っかることのできるストーリーは心を動かすことができる。

ブラウザの向こう側には仕事や人生でうまくいかずに悩んでいる人もたくさんいます。失敗を恐れてチャレンジできずにいる人もいます。

そういうなかで「苦境からどうやって回復したのか」というストーリーを書けば、そういう人たちを励ましたり、背中を押したり、勇気を与えることもできるはずです。

社史は、コンテンツになるとともに「自己紹介」にもなります。よって、noteを始めたら初期の段階で「社史」を書くことをオススメしています。

会社や業界の「ノウハウ」をまとめる

コンテンツとして読まれやすいのは、やはり「ノウハウ」です。

その会社にしかないノウハウ。仕事をするなかで発見したノウハウ。社員それぞれが持っているノウハウ。それらをnoteにまとめて発表してみると、たくさんの人に読んでもらえるコンテンツになります。

たとえば組織のコンサルティングの会社なら「どうやったら会社がうまく回るのか?」「リーダーの仕事とは何なのか?」といったことをコンテンツにすれば、いろんな人が見に来てくれます。

「うちの会社にそんな特別なノウハウはないよ」という場合は、視点を高くして業界の話をするのもいいでしょう。

自社の話をするのではなく、業界の話をする。そうすれば、同じ業界の人は気になって読んでくれるでしょうし、他の業界の人も見に来てくれるはずです。自分たちの業界ではあたりまえのことでも、別の業界から見ると新鮮だったり、驚きがあったりするからです。(テレビ番組の「ジョブチューン」みたいなものですね。)

自社だけではなく、業界全体を盛り上げる。それくらいの意識で発信すると、めぐりめぐって自社にも利益が返ってくるはずです。

そもそも読まれなければ、会社の魅力も伝わらない

こういうことをお伝えしていると、たまにこんなニュアンスのことを言われたりします。

「うちの会社は別にコンテンツを出したいわけではない。ノウハウを出したいわけではない。自社の魅力を伝えたいだけ。会社のことを知ってほしいだけなんです」と。

その気持ちもよくわかります。

ただ現実問題、そもそも読まれなければ存在を知ってもらえないですし、魅力を伝えることもできません。

そのためにもやはり「きっかけ」としてのコンテンツというのは、必要なのではないでしょうか。

会社のことを知ってほしいという思いが強いと「〇〇社がnoteを始めました!」といったnoteを書きがちになります。でも、それでクリックしてくれるのは社員か関係者くらいです。

もちろんnoteの使い方はいろいろあるので、そういったnoteを否定するわけではありません。ただ多くの人に読んでもらえるようなものにはなりにくい、という話です。

解決法としてはストーリーやノウハウなどの「コンテンツ」から入ることです。そして後半で会社の紹介や伝えたいことを書けばいいわけです。

コンテンツを「入口」にして、会社の紹介を「出口」にする。

会社の紹介をしたいからといって、冒頭から会社の紹介をする必要はないのです。目的が「多くの人に知ってもらい、読んでもらうこと」であれば、そういったやり方もあるのではないかな、と思います。

あなたは、そのnoteを読みますか?

とにかく大切なのは「読者目線」です。

読者がどう思うのか? 御社のことをまったく知らない人でも、その記事を読んでくれるのか? その目線を忘れないことです。

「うーん、読者目線になるのはむずかしいんだよな……」という人は、自分自身はその記事をクリックするかどうかを想像してみるといいでしょう。

その記事がツイッターのタイムラインに流れてきたら、フェイスブックで誰かがシェアしていたら、その記事をちゃんとクリックして見に行くだろうか?

そこを考えてみると冷静になることができて、読者目線になることができます。そして「ああ、もうちょっと引きのあるタイトルにしなきゃいけないな」とか「もっと役立つコンテンツにしなきゃいけないな」といったことに気付くはずです。

自分すら読まないものをたくさんの人が読む、というのは非現実的です。「自分が読むかどうか」というのは、いい指標になると思います。

お互いに取材する

……と、偉そうにお話ししてきましたが、自分たちでコンテンツをつくって発信していくのはなかなか難しいことですよね。(だから、編集者という職業があるわけです。)

そこで、コンテンツづくりに行き詰まったとき、どうすればいいのかについてもいくつかご紹介したいと思います。

ひとつは「お互いに取材する」というやり方です。会社内の社員どうしで取材し合う方法です。

たとえば、営業部のトップセールスの人に話を聞きに行って「セールスのコツ」をnoteにまとめてみる。いくつも案件をとってくるすごい広報の人がいたら「毎日どういう動きをしているのか?」を聞いてみる。仕事が異常に早いスーパーエンジニアがいたら「どうやって仕事を進めているか?」を聞いてみる、といったぐあいです。

社内には、たくさんのノウハウ、知識が転がっています。コンテンツの宝庫です。それをお互いに取材して、「それおもしろいですね!」「それ役立ちますね!」ということを記事にすればいい。(書いている人が楽しんでいれば、それは読者にも伝わります!)

もちろん社外秘のことや極秘事項をコンテンツにする必要はありません。でも、仕事のコツだったり、仕事への考え方、リーダーとして大切にしていることといったコンテンツなら、外に出しても問題はないでしょう。

それらのコンテンツによって、多くの人が見に来てくれて、会社のことを知ってくれれば、会社のブランディングにもつながります。ファンも増えるでしょう。

なによりそうやってコンテンツを提供することで、大げさですが、世界に貢献することだってできるのです。

参加型にしてみんなで盛り上げていく

コンテンツづくり、もうひとつのやり方が「巻き込み型・参加型にする」ということです。

インターネットの世界では、偉そうな物言いとか、上から下に「教えてあげる」みたいなスタンスは嫌われる傾向にあります。

上意下達というよりも「シェア」の文化が強い。「こういう有益なことを聞いたから、みんなにシェアしますね」というようなスタンスのほうが受け入れられたりします。

そこで、コンテンツに困ったときは「うちはコンテンツに困っています」というコンテンツを出すのも手だったりします。そこでネタを募集してしまえばいいわけです。「どういう話が聞きたいですか?」「どんなテーマだと読んでもらえますか?」とストレートに聞いてみる。

すると、社内の人から「こういうものを発信してみたらどう?」という提案があるかもしれませんし、読者からアドバイスがもらえるかもしれません。そうやって「ああでもない、こうでもない」とやっていると「あれ? あそこでなんかおもしろそうなことやってるぞ」というぐあいに、ぜんぜん関係ない人が見に来たりもします。

noteの発信で困ったら「一緒に盛り上げてください」「助けてください」「知恵を貸してください」という発信をすると、手を差し伸べてくれる人が現れる。「会社側がつくって一方的に流す」のではなく「みんなでnoteを作っていく」というスタンスでいると、少しずつ輪ができていって、盛り上がっていくはずです。

ツイッターとnoteはワンセット

多くの人に読んでもらうためには「拡散する」ことも大切です。

noteを書いただけでは、なかなかお客さんは来てくれません。記事に流入するような「導線」を作らないといけない。

たとえるなら「noteを書くだけ」というのは、大通りに面していない場所にお店を開くようなものです。よって、たくさんの人が行き交う大通りに「こっちにお店がありますよー!」と示さなければいけないわけです。

そこで大切なのが「ツイッター」です。

ぼく自身、noteとツイッターを同時に運営することで、双方のフォロワーを伸ばすことができました。

noteを書いたらツイッターで宣伝する。また、noteを読んでくれた人が感想をツイートしてくれたりするので、それをリツイートしたり、御礼やコメントをします。ここは、拡散するうえでかなり重要です。

ツイッターをきちんと運営しておくと、いいことがもうひとつあります。

それは「いいねがたくさんついたツイートをnoteにまとめる」というやり方ができることです。

noteを書くのはそれなりに大変です。いきなりnoteを書いてぜんぜん読まれなかったりするのはつらいもの。そこで、ツイッターでネタをいくつも発信しておいて、その中でウケがよかったものをnoteにまとめるわけです。すると、ぜんぜん読まれないということは減ります。

ツイッターがあると「noteのテストマーケティング」をすることができます。ツイッターという場で「何が読まれやすいのか?」「何がウケやすいのか?」がわかるようになるので、noteを安心して書けるようになります。

ということで「noteとツイッターはワンセット」で運営することをオススメします。

インターネットの世界では「個人の声」が強い

最後にひとつ、大切なことをお伝えします。

インターネットの世界では「個人の声」が強い、ということです。

多くの人が感じていることだとは思いますが、やはり「法人」としてのメッセージよりも、法人のなかの「誰々さん」とか、一人の人間の顔が見えたほうが伝わりやすいのです。

たしかにツイッターのアカウントでは、シャープとかキングジムなど、会社名だけでうまくいっているものもあります。ただ、あれをマネするにはセンスが必要ですし、アカウントの「人格」を上手に出していくのは至難の業だったりします。

なので、できればnoteも「〇〇社」ではなく「〇〇社広報の田中さん」として発信するほうが、多くの人に読んでもらえるはずです。

「人」はやはり「人」に反応します。「人」に魅力を感じます。そしてインターネットの世界では、それがより顕著なのです。この「個人の声が強い」という特性を生かして、noteを書いていくことです。

その点で、法人のアカウントをひとつ作って、みんなで代わる代わる書くのではなく、社員一人ひとりがnoteアカウントを持って、それを法人の「マガジン」にまとめるほうがいいような気がします。

一人一人の顔が見えるように。そこに「人格」が表れるように。アカウントの「空気感」が伝わるようにすることが、noteを魅力的にするコツだったりします。

経営者がnoteを書くということ

そして、会社の中で「個人の声」と言えば、やはりいちばん影響が大きいのが「経営者」です。その会社のトップが発信するということがいちばん効果的だと思っています。

サイバーエージェントの経営者である藤田晋さんは、創業当初から自分でブログを書いていて、それが会社のブランディング・採用・営業活動につながっています。

やはり経営者の言葉がいちばん強力ですし、先行き不透明な時代に求められているものでもあります。ぼくは経営者の言語化・コンテンツ化をお手伝いする機会が多くありますが、やはり経営者個人の肉声、体温の伝わる発信をしていくと、すごく反応がいいと実感しています。

なかなか経営者がnoteを書く時間などとれないかもしれません。発信は広報に任せているケースも多いでしょう。でも、かけたコスト以上のリターンは年々大きくなっているように思います。

個人で書くのがたいへんでも、たとえば会社のnoteのなかで「経営者のインタビュー」をしてみてもいいでしょう。経営者の顔が見えるような発信は、どんどん増やしていくといいんじゃないかなと思っています。


<こちらもご参考ください>


<株式会社WORDSのサイト>


<これまでWORDSで編集させていただいたnoteの一例>


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