室見川
室見川の遊歩道でベンチに座り
ユリカモメの群れを眺めながら
郷愁でもない、感傷でもない
希望でも絶望でもない
何とも形容し難い感情の中にいる
これが曖昧模糊というものなのか
ボクにとってのDr.ロバートは
どこか遠くへ行ってしまった
ボクの手の及ばない遙か彼方へ
そこで日がな一日
椅子やテーブルを組み立ててると
風の便りに聞いた
彼のことだから日曜には礼拝堂で
神に祈りを捧げているのだろう
彼ほどの成功を収めた人物を
ボクは他に知らない
メチルフェニデートを手に入れる
何か別の方法を探すのか
あるいはもっと健全なものに
身を委ねる潮時が来ているのか
いずれにせよボクにとっては
生き辛い世の中であることには
変わりはないのだから
どこかで折り合いをつけて
日々の暮らしに従うことが
順当というものなのだろう
この室見川の流れのように
穏やかで、緩やかで
曖昧模糊でもいいのだろう