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何人学級がいいですか?🤔

 以前一学級あたりの人数削減について記事を書いたところ、現場としては何人くらいがちょうどよいのか?また何が変わるのか?というご意見をいただいた。今回は人数にフォーカスしてお話する。

 うーむ。とにかく30人は多い!としか感じていなかったので、『じゃあ、何人なら適当か?』まで考えたことがなかった。

 調べたところ、日本の教室の平均は64平方キロメートル。これは畳で換算すると、大体35畳分。つまり、35人学級だとすると、子どもたちは1畳で生活している!なんということだ!
「蛍の光窓の雪」
とまではゆかないが、それにしても狭すぎる…。コロナ禍に小池都知事の「密です!」が流行したが、特に都市部の学校は未だに密である。
 35人学級だと、5人の列が6列。ちらっと斜めを見れば、カンニングできちゃうくらいの過密状態である。

 さらに最近は、教科書がどんどんビッグサイズになっていることに加え、タブレット端末まで配付されている。タブレットやら教科書やらノートやら、ぬいぐるみっぽい筆箱やらで、机上も過密状態
 しかし、相変わらず、カッターか彫刻刀でガリガリと「あほ」だの「大好き」だのと彫られた年季の入った机と、お尻が痛くなる硬い木製の椅子を使い続けている。しかも、ちょいちょい足の部分がとれて、バランスが悪くてガタガタになったりして。
 
 しかしながら、学校という集団は、子どもが初めて参画する小さな社会。少人数過ぎても、人間関係の築き方や他者との物理的・心理的な距離感等、学べなくなることもある。
 授業も然り。マンツーマンで教えるなら、それはもはや公教育ではなく、専属の家庭教師だ。多様な考えや意見に触れることもできない

OECD加盟国では一学級あたり、次のようになっている。
アメリカ:27人
ニュージーランド:25人
オーストラリア:24人
イギリス:19人

 考えてみれば、スポーツもそう。個人競技は別として、チームプレーが必要なスポーツは、ラグビーの13人が最大規模だ。
すなわち、それ以上の人数になると、プレーヤー同士の意思疎通が難しくなるわけだ。
 スポーツをしながら意思疎通が図れる限界が13名前後ならば、教室であれば、20~25人前後が適正なのも納得できる。

 体感的にも、今の環境から2列分(10名)減ると、スペース的にも快適だ。
 机間指導も、前半10名、後半10名と、一人一人にかける時間も確保される。グループワークも、5名のグループを4つ作ることができる。
 20名も人が集まれば、合う人もいれば苦手な人もいるだろう。そのような中で、苦手な人とも上手に付き合っていくソーシャルスキルを磨くこともできる。
10対10に分かれて、ディベートも可能。
給食当番も、10名が配膳、残りの10名が運搬すれば、暇を持て余す輩もでず、余計な生徒指導もない。
清掃もそう。無駄に5~6人を宛がうと、ちりとり一つ持って、さも掃除してます感を出そうとするやつもいなくなる。
 ということで、個人的には20名学級を希望する。

だがしかしかし…

 20名学級の実現のためには、やはり教室と人員の確保が避けては通れない課題であろう。
 教室に関しては、とにかく公立学校は校舎が古い!
震災をきっかけに耐久工事やら免振工事を突貫工事で行っている。
創立75年!と記念するのはいいが、それだけ古い!と豪語しているということ…。地震の多い東北地方では、震度5強が起きると、どこかしらにガタがくる。
 ついでに、洋式トイレよりも和式が主流の学校もまだまだ多い
勤務校では、便座が温かいトイレは学校に2か所しかない。全校生徒700名のマンモス校なのに…!
…にも関わらず、謎に校庭の大規模改修の真っ最中。
『校庭掘り起こす前に、まずトイレだろー!』と思うのは私だけ…?
和式トイレの感染リスクの高さは、科学的にも立証済み。
日々、トイレ難民として校内をうろついていたら、それは私。

 さて話を戻すが、少人数になるということは、教室数が絶対的に足りなくなる
人口が集中して、クラス数が増え続けている学校については、プレハブを建てて、なんとか踏ん張っている状況である。
とにかくもかくにも、高給取りの議員さんの方々のお給料から、校舎の建て替え費用を捻出してはもらえないだろうか。パーティー券を配ってパーティーできる余裕があるなら、新校舎を建てていただいて、みんなでパーティーしませんか?
それか国防費とか経済協力費のちょっとを、教育費に充てることはできませんかね…。

 さて、教員の確保に関しては、何度も繰り返しているが、ブラック学校のネガティブキャンペーンの緩和が必要である。
そのためには、やはり働き方改革を進めていかねばならない。
しかし、私が勤務する政令指定都市ですら、働き方改革の大きな目玉の一つが『タイムカードの導入』…。
なんかすごい政策してます感出してるけど、先生たちはドン引きしている。
実際タイムカードが導入されているが、いわゆる勤務時間外労働は、月10分程度の削減にしかなっていない。それが目玉の一つとして、教育委員会のお便りにバーン!と掲載されている。だめだこりゃ。

 お給料についてだが、「割に合わない」という先生もいるが、正直、同年代に比べたら、高い方だとは思う。
おそらく、残業が短い先生にとっては、高給だし、残業が80時間を超える先生にとっては、割に合わないのは頷ける。

 ついでに、世界の教員のお給料について調べたら・・・

日本の教員の給与は諸外国の平均以下――経済協力開発機構(OECD)が発表した「図表で見る教育2023」で、そんな事実が明らかになりました。

 この調査は、OECD加盟国内で15年以上の勤務経験がある公立学校教員の年収を調べたものです。これによると、日本は47,349ドル。対して諸外国では、小学校:49,968ドル、中学校:51,612ドル、高校:53,456ドルでした。日本の教員は小・中・高で給与水準が変わらない仕組みですので、すべての学校段階で平均を下回っていることになります。

smartschool

 これまたちなみにですが、国会議員様のお給料は、堂々の世界第3位のようです…。なんだろうね。選挙の時は、ポスターやら街宣車で「国民の皆様のために!」とは言うものの、有言不実行に感じるのは私だけかなあ…。 
 
 お金がすべてではないが、やりがいがあって、子どもたちの未来に貢献できて、自分の時間も確保され、安定した収入を得られる!
こんなホワイトな会社なら、みんな志望してくれるだろう。

 考えれば考えるほど、20名学級の実現には、いくつもの壁がある。
それでも、子どもたちが良い環境で学び、先生も良い環境で働ける理想郷であることは間違いない。
 現在、学校が抱えている、いじめや不登校、学力低下等の諸問題の解決の糸口にもなると思う。
 そんな天国のような学校が現実になればなあ…。


 現場の先生たちの声がもっと反映され、みんなにとって良い学校が実現されますように。

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