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リサーチ&データ活用の教科書③:P&G流の問題解決の始まり「現状理解」とは?
読書ノート(108日目)
さて、今日もこちらの本の紹介です。
著者の米田さんは元P&Gの執行役員で
CMK(Consumer Marketing Knowledge)部門
のヘッドを務めていらっしゃった人物。
P&Gのマーケティング戦略をデータで検証して
成功の確度を高めていく、そのための秘訣を
知ることができればと思って読んでいます。
今日からは前回紹介した
P&Gでの問題解決の枠組みである
ダブルダイヤモンドプロセスのうち
「現状理解」についてです。
![](https://assets.st-note.com/img/1679392600320-GoueEKp6KL.png?width=1200)
・現状理解:まず「ギャップ=問題」を突き詰める
・「現状理解」は課題解決の起点となる重要なフェーズであり、
それ以降の全ての方向性を決める
・課題を見つけ出せるまで、問題の原因を深く探求してくことが非常に重要
・ギャップ特定の大前提は、「〇〇(例:利益)はどう作られているか」を
要素分解して、その仕組みを知ること
その仕組みに基づいてKPIを組み立てる。
KPIを動かしてみた数パターンを試算し、作戦が目標達成が可能か試算
・セグメントごとのKPIを分解して見てみることも有効
(年代別、男女別、High/Middle/Low分析など)
・「変化なし」は一見すると順調に見えるが、
ゆでガエル状態にならないように、様々な角度から
本当に変化が起きていないか分析する
(セグメント別や、10年スパンでの長期推移など)
・現状理解の最後の仕上げは、分析の後にKPIを適切に見直すこと
・新たに発見された状況を反映し、目標値を達成するには、
各指標がどのくらい必要か考えKPIを見直す
・目標は2種類を用意する
背伸びをして工夫をすれば届きそうな難易度の「ストレッチ目標」と
達成の可能性が見えづらいほど高い難易度の「チャレンジ目標」の2つ
膨大なデータが集まると
まずは全体、そしてセグメント別に
集計しレポートにまとめて報告して
データ分析チームの仕事は完了。
…というのでは終わらせないのが凄い!
というのが率直な感想です。
達成したい目標と現状のギャップを
以下のように数値化して、
どの数値が動けば最終的な目的を
果たせるかをシミュレーションする
という点が、まさに目から鱗でした!
そしてセグメント毎に分析し
仕組みの流れの中のどこで目詰まりを
起こしているかを突き止め、KPIを再度設定し
目標達成の道筋を見える化する。
その時の目標はストレッチ目標と
チャレンジ目標の2種を混ぜて
常にレベルアップを図る…!
一連の流れは以下の図を参照いただき、
さらに詳細はぜひ本書をご覧ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1679392850844-68lBr3JI3a.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679393137112-yzi9Kxyf8j.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679393182113-pmcOI9qG2y.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679393207608-5AvbcpkDGz.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679393238323-2eKUlRIRNr.png)
ここまでを読んだ正直な感想は、
リサーチ担当部門の問題解決への
コミットメントが強く、
自分たちの仕事の価値は
問題解決に繋がる新たな発見を見つけること
であり、そのために隙が無い仕組みがある。
組織として知見を蓄積し再現できるように
するというのは、こういうことなんだな。
という、僕にとって非常に学びが多い本です。
今回は、P&Gの問題解決の枠組みである
ダブルダイヤモンドプロセスのうち
「現状理解」についてでしたが、
次回以降は、その先のステップ
「仮説出し」「絞り込み」を
紹介していきたいと思います。
それではまたー!😉