読書ノート(168日目)
今回も前回に続いて、三枝匡さんの四部作の一冊目
「戦略プロフェッショナル」の紹介です。
本書は三枝匡さんが実際に事業再生をされた実話に基づいた物語で、主人公の名前は「黒岩莞太」となっており、三枝さんが32歳に経験された話です。
より詳しいことや手掛けている事業の概要はこちらのnoteもお読み頂けると理解がスムーズだと思いますので、もしお時間があればこちらからどうぞ。
それでは今回のテーマ「違和感」「シェア逆転への気付き」についてです。
・黒岩の感じた違和感①:売上の伸びが競合と変わらない
このような状態は決して他人事ではないと感じました…
自分も営業をしていた時は、優しいお客さんのところに行きがちでしたし、
現場の気持ちはよく分かりますし、その"景色"が目に浮かびます…😂
ただ、この状態は本書の言葉を借りれば、
明確な「絞りと集中」の営業戦略が無ければ、
営業は自分が行きやすいところを訪問したがる傾向がある
という症状が表面化してしまっていると言えます。
黒岩と営業企画の東郷課長との会話は続きがあります。
・黒岩の感じた違和感②:価格決定の戦略欠如
ここでは、黒岩は価格のセンシティビティ(価格弾力性)と、コストプラスでの価格設定が戦略欠如していることを指摘しています。
・検査薬ビジネスは「オール・オア・ナッシングの陣取り合戦」
ここまでの物語で黒岩莞太が率いる「新日本メディカル」の戦略方向性が、より一層クリアに見えてきました。
画期的な新製品ジュピターで会社全体の業績を飛躍させたいと思いながらも、営業の現場では既存のお客様に売り込んでいたため、旧タイプの売上がジュピターに移っただけという状態。
今こそドイツ化学の牙城を攻めるべき千載一遇のチャンスなのに…
ということで、次回は営業戦略での「セグメンテーション戦略」、
三枝さん流に表現するならば「絞りと集中」について紹介予定です。
(個人的には、本書の中で最も"目からウロコ"だった内容です)
ちなみに、黒岩莞太は同時並行で海外市場でのジュピターの販売数を確認し、アメリカでは年間120台~150台の販売、ヨーロッパでも国別の平均で年間100台は販売できていることを知り、新日本メディカルの年間7台が貧弱であると同時に、大きな伸びしろがあることに気付きます。
日本と比べて、アメリカの市場は約2倍、ヨーロッパは約1.5倍のため、
逆算すれば日本でも年間70台くらいは販売できるはず。
という販売目標の目安を得た上で、いよいよ営業戦略の立案に着手します。
それでは今日はこの辺で!
それではまたー!😉✨