新規製品はプロトタイプを持って営業しよう | マーケティングはこれだけ! コラム⑤
みなさん、こんにちは。
Tak@外資流マーケティングです。
『新規製品投入したけど、思ったほど売れていない・・・』というのは悲しいですが、まぁまぁ良くあることですよね。
私自身も正直、上手く行ったもの、そうでないもの、途中で諦めたもの(泣)がたくさんあります。
その中でも新規製品を上市するまでに、マーケッターがやるべきこととしてお勧めしたいのが、『プロトタイプで営業しよう』ということです。
本題へ行く前に、そもそも、様々な分析や計画を立て、これで上手くいく!と思っていたのに、残念な結果になってしまうのは何故なのでしょうか。
以前、うまくプラン通りに行かない、大きな理由としてマーケティングリーダーシップがないからというお話をしました。
やってみたら実は違った、ということなんて本当にたくさん発生するのがビジネスだと思います。
それでもその都度、関わる人たちのベクトルを揃えて、同じ方向に導いていくのがリーダーシップです。
ただ、そもそも『やってみたら思ってたのと違った・・・』ということはできるだけ避けたいわけです。
これが多ければ多いほど、リードしていくことも大変ですし、想定外がクリティカルなものについては、修正できずにプロジェクト自体を終息させなくてはならないことになります。
『仮説の精度が高ければ高いほど、成功可能性の高いプランを作ることが出来る』ということになり、逆に言えば、仮説精度が低く、結果が思った通りとならずに、軌道修正できないまま進んでしまうと売れない製品が出来上がるという構図です。
プロジェクトが始まってしまうと、サンクコスト的に途中でやめられないとか、または時間のプレッシャーで分析が甘いまま進んでしまうということもありますが、それぞれに対策が必要です。
具体的には、
量産したらコストが高い、または性能を満たさない・・・
量産時にトラブルが発生して大幅に遅れてしまう・・・
競合価格が想定より安い・・・
市場が実はそれほど大きくなかった・・・
製造、仕入れ、コスト、販売価格、販売時期などは自社の範疇となり、上市までのレビュープロセスを定期的に入れ、管理していくことによって最悪の事態を防ぐことができます。『Control the controllables』という言葉がありますが、自分たちでコントロールできるところに対して最善のアプローチが出来るよう、マーケティングリーダーシップで導いていくことが重要になります。
また、量産ステージでもスモールスタートで進めることにより、製品性能と歩留まり(コスト)を確認しながらリスクを最小限に進めるプランニングも重要となります。
一方で、『Control the controllables』にならないのが、自社以外のところ、つまり、競合や市場となります。競合や市場は自分たちでコントロールが難しいですね。
そこで肝になるのが、プロトタイプで実際に顧客が買うものなのかを検証することです。
マーケティングがプロトタイプを持って、自らターゲット顧客へ売りに行きましょう。(実際は上市したら買うかどうかを確認するという意味です)
プロトタイプというのがポイントで、手作りでも構いません。
顧客はプレゼンや口頭ではイメージできず、実際の現物があって初めてイメージを沸かすことができるものだと思います。
それによって、これまでの競合他社品に比べて、その新製品がもたらす価値を顧客は具体的に感じることができ、支払う価格についても真剣に考えることができるようになります。
現物を手にして、五感で感じる情報のインプットは大きな違いをもたらします。
ターゲット顧客訪問を資料だけで行い、『なんとなく良い返事をもらえた』とか、500件のアンケート結果で『良い結果が得られた』というものよりもプロトタイプでターゲット顧客10件訪問した方が、より自信を持って、顧客ニーズの確認とバリュープロポジション設定ができるようになると思います。
また、顧客をいくつか具体的に捕まえてから上市するのであれば、売れないリスクを軽減でき、上手くいけば、大口顧客を軸にロケットスタート出来る可能性もあります。
また、売上計画についても、訪問した顧客のヒット率×全体のターゲット顧客数で計算することで、精度を高めることが出来ます。
この検証作業は、誰かに任すよりもマーケティングが実施することに意義があります。
ダイレクトにマーケッターが新製品の価値を売り込むことで、マーケティングリーダーシップを発揮し、その他のメンバー、特に営業などへも良い影響を与えることができるでしょう。マーケッターのパッションも伝わると思います。
顧客が多くの答えを持っているので、訪問を重ねるごとに、例えば、『想定よりプライシングが高かった』、『競合のプロモーションが凄く強い』とか、自ら立てていた3C、4Pの分析の甘さがあれば気づくこともあるかと思います。
今回は、Controlが難しい外部要因については、足で稼いで、顧客へ出向いて、質の高いヒアリングで、仮説の精度アップをしていきましょうというお話でした。
ぜひ、新規製品はプロトタイプを持ってマーケッターが営業していきましょう!
お読みいただきましてありがとうございました。
以上