飲食店主が今さら聞けない?!Z世代に有効なマーケティングの例「イミ消費」
富士市フレンチとパフェ屋 たじまです。
飲食店主が今さら聞けないシリーズ、
まだまだ続きます!
知れば知るほど奥深いZ世代のこと、面白いです!
同時にお店にも反映できるのでお付き合いください(^▽^)/
さて、Z世代は、サステナビリティ(持続可能な世界を作るための仕組みを考えること)やSDGs(持続可能な世界への実現に向けた国際目標)という概念を学校教育でも習っています。
昨年度、実際に中学校でのSDGsの授業にオブザーバーとして参加したことがありました。
中学校3年間をかけてSDGsを学び、生徒さんそれぞれが考える特に地域に重きをおいたSDGsの取り組みの発表などは
我々が中学校時代に「持続可能な社会」を考えていたか?というと
全くなかったことに気づかされ、恥ずかしさを覚えると同時に
彼らの今後がとても楽しみで応援したいと心から思いました。
今回はZ世代に重要な価値観の
「イミ消費」についてです。
「イミ消費」とは?
イミ消費とは、ホットペッパーグルメ外食総研エヴァンジェリストの竹田クニ氏が提唱した概念で、ある商品を消費することにより生まれる社会貢献的側面を重視する消費行動のことです。
商品・サービスの利用に意味をもたせ、共感してもらう
商品やサービスそのものの機能、メリットを享受するだけでなく、その商品やサービスを利用すること自体に意味を求める消費、それが「イミ消費」です。
具体的には、商品・サービスの利用によって「環境保全」「地域振興」「震災復興」「社会問題解決」「健康維持」などの付加価値を求める消費行動のことをさします。
デジタルネイティブとして生まれ情報検索能力に長け、
多様な価値観に触れて育ち、社会問題への関心も高いZ世代は、
特にこの「イミ消費」を行う傾向が高いと言われています。
「イミ消費」の概念で自分がどうありたいか、
あるいはどうあるべきかを指標として経済活動を行います。
イミ消費の事例
「災害のあった地域の食材を使う飲食店」利用
この飲食店を利用することで美味しい料理や気持ちの良いサービスを提供することに加えて
「食べることで自然や社会に貢献する」という
付加価値がついた消費になります。
飲食店側は、提供する料理の食材や、その食材が育まれる自然環境、そして生産者を大切にする姿勢をお客様と共有します。
もはや「おいしいお店」は当たり前で
プラス環境、生産者さんに貢献、フードロス問題解消などが求められます。
「雇用を生み、環境にもやさしい商品」
世界トップの充電効率を誇る
瓶型ソーラーランタンであるソネングラスという商品があります。
ソネングラスは1つ1つハンドメイドで作られており、そ
ばに置ける防災グッズにもなり、太陽光でもマイクロUSBでも充電が可能です。
満充電で24時間灯りをともすことができます。
メイソンジャーポットの蓋の裏に充電池がセットされてジャーの便の中でほのかにともる灯りが幻想的で素敵です。
ソネングラスが生まれた背景は、電力のない地域で暮らす現地の人々の存在でした。
失業率が40%を超える南アフリカで、ソネングラスの生産という雇用を生み出したのです。
自然エネルギーを日常的に利用できるだけでなく、環境にも人にもやさしい商品となっています。
廃棄残布を使ったアパレルブランド「coxco」(ココ)
ファッション産業は、2番目に地球環境を破壊している産業と言われています。なんと、日本国内では年間100万トン(約30億着分)が廃棄されていると言われているにも関わらず、衣類の生産量は年々増えており、2030年には全世界で生産量が1億200万トンに到達する見込みです。
coxcoは、そんな社会課題に向き合うファッションブランドです。
単に服を作って販売するのではなく、倉庫に眠る生地をアップサイクルしており、流行に流されず⻑く着られるように、その人自身のこだわりや着こなしを反映しやすいスタンダードな服を作っています。
縫製も高品質にこだわり、
国内でも優れた縫製技術を持つ「Jクオリティー」として認められている縫製工場で制作し、すべてMade in Japanになっています。
オシャレすることで結果「社会貢献していた」という状態を作れるブランドを目指しています。
そして売り上げの10%をcoxco Labを通じて
フィリピン、マニラの貧困地域に暮らす人へ縫製技術を教える学校の運営に寄付をしています。
参考サイト:· https://www.ever-rise.co.jp/dx-blog/consumption/
地域創生とSNSで巻き込んだ「JAPANプライドポテト」
商品を購入、キャンペーンに参加することで地方創生に取り組んでいるのが、湖池屋です。
「JAPANプライドポテト」の中には、熊本 地鶏炭火焼き味があります。
こちらのパッケージには「阿蘇を世界遺産へ」との文言が記されており、
湖池屋の公式Twitterアカウント(@koikeya_cp)で行われているリツイートキャンペーンは商品名ではなく「 #阿蘇を世界遺産へ」のハッシュタグを拡散させるものとなっています。
さらに、サスティナビリティについて説明する動画の発信や、サスティナビリティをテーマにしたすごろく商品を販売するなど、様々な角度からSDGsの取り組みを実践していることが伝わります。
「イミ消費」の傾向が強い多くのZ世代からの支持を得ました。
参考サイト:· https://smmlab.jp/article/what-is-genz-marketing/
「リーズナブル」という言葉は
単に「価格が安い」という意味で今までは使われてきました。
しかし、Z世代にとってリーズナブルとは、ただ安いだけでなく、
明確な「理由」があるかどうかがポイントになっています。
モノやコトに重きをおくのではなく、
意味を重視する「イミ消費」が彼らの常識となっています。
イミ消費の代表的な行動はこんなこともあります。
災害の被害にあった地域の商品を購入し復興を支援する
環境にやさしい素材を使ったアパレルを購入する
地域貢献活動に積極的な企業のサービスや商品を購入する
フードロスを減らすために規格外の野菜を購入する
クラウドファンディングに協力する
ファッションでもシーズンごとに新しいものを出して大量消費するのではなく、循環させていくこと、リサイクルが特に重視されています。
ユニクロなどの洋服のリサイクル活動はもはや常識となっています。
また、絶対的なカリスマが存在したマスメディア一強時代とは変わり、Z世代から支持されるのは「透明性」があり、グッとくる感情を訴求できる人です。
これまでの「消費者」は「社会を変えるパートナー」と捉え直し、
利益追求のためにモノ・コトだけを届けるのではなくイミを届けること、
プロセスを可視化し透明性を持ち、
発見やグッとくる感情がないと選ばれません。
たとえば、おしゃれな服を選んだらそれが
結果として廃棄される衣類の削減になっていたとか、
かっこいい靴を選んだら
それが地球資源の保全になっていたといったように、
世の中の人々の欲求を捉え、サステナビリティをまといたくなるものにすることは忘れてはいけないところです。
自分にとって良いからしたことが、
社会にとっても良いことだったということが、
Z世代にはグッとくるのです。
参考サイト:https://www.ever-rise.co.jp/dx-blog/consumption/
普段の飲食店営業にも生かせることが
たくさんあったと思います。
地産地消、フードロス問題を
今まで以上に訴求し実際に解決していくリーダーとなる
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