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た🐘
2024年11月14日 11:19
広くて天井の高いフロアーには、杖をついて歩いたり、車椅子に乗っているお年寄りがたくさんいた。何人も集まって編み物や手作業をしたり、若いお姉さんが前に立って指導する体操をしているお年寄りもいた。また、さっきの太ったおばさんと同じ白いポロシャツとピンクのジャージ姿やエプロンを着けたおばさんや若いお兄さんやお姉さんが、お年寄りの介助に忙しそうに行ったり来たりしていた。気がつくと、お父さんがお
2024年11月11日 03:40
スロープのあるエントラを通って玄関から建物の中に入ると、明るいフローリングと漆喰を塗ったような壁がまだ新しく、清潔で安全な印象だった。お父さんが受付であいさつすると、「どうぞ横の廊下をお通りください」って、受付のお姉さんが教えてくれた。受付の横の廊下を歩いて行くとガラス張りの扉があって、少し待っていると、中から白いポロシャツとピンクのジャージ姿のおばさんが扉を開けてくれた。「柴田秋香
2024年11月7日 03:17
「めぐみちゃん、起きなさい。着きましたよ」お母さんの声で眠たい目をこすって、自動車の窓から外を見ると、私の知らない景色だった。自動車から外に出ると、空気が冷たくて眠気が吹き飛んだ。数台の車が止まっている広い駐車場の続きに白くて大きな建物があって、駐車場の入り口に、病院の名前と「介護保健施設 あおぞら苑」って書いてあるでっかい看板があった。看板を見上げると、そのままじゃん!、って思っ
2024年11月1日 19:05
このお話を書いたのは、コロナパンデミックの前で、面会が自由にできていた頃です。私は春休みに、お父さんとお母さんの三人で老人保健施設というところに行ってきた。前の日にお父さんから「明日ドライブだけど、遊びに行くんじゃたいからね」って、言われた。当日は朝早く出発。天気がよく、気持ちのいい日だった。お父さんが自動車を運転して、お母さんが助手席。私は後ろの席で、お父さんのスマホを借